レッドブル・レーシングは、エイドリアン・ニューエイが2006年2月末に同チームに加入し、チーフテクニカルオフィサーのポジションに就くことを発表した。
レッドブル・レーシングのボス、クリスチャン・ホーナーは、7度の世界チャンピオンに輝いたミハエル・シューマッハーよりもニューエイを選ぶと述べて、マクラーレンの現役デザイナーを引き抜くことの重要性を強調した。
来年2月のマクラーレンとの契約終了を待って、ニューエイがレッドブルへ移籍することを正式に発表したわずか数時間後、ホーナーはロイター通信社の取材に対し、ニューエイの加入は2005年からジャガーチームを引き継ぐ形で始まった彼らのチームにとって、おそらく最も重要な契約になるだろうと語った。
「私たちにとっては素晴らしい戦力補強だ」とホーナー。「エイドリアン・ニューエイとミハエル・シューマッハーのどちらかを選べと言われたら、私は何度チャンスがあってもそのたびにエイドリアンを取るよ。それほど重要な契約なんだ。これは私たちがどれほど真剣で、何を達成したいと望んでいるかについて、世界に適切なメッセージを発信することにもなると思う」
さらにホーナーは、1990年代にウイリアムズとマクラーレンでウイニングカーをデザインしてきたニューエイを、しばらく前から誘い続けてきたことを明かした。
「エイドリアンと私はシーズンを通じて、サーキットでもそれ以外の場所でも何度も話し合いをしてきた。だが、話が本当に進展し始めたのは最終戦が終わってからだ。彼は新しいチャレンジに乗り出したいと考えていた。彼をチームに招き入れることができてとても嬉しい」
以前からニューエイは新しいチャレンジへの転進をほのめかしていたが、多くの人はそれがマクラーレンを離れて別のF1チームへ行くのではなく、レーシングヨットの設計を手掛けることを意味すると見ていた。2001年にはジャガーへの移籍を試みながら果たせなかったニューエイの今回の移籍について、ホーナーは次のように語っている。
「今回はエイドリアンも自分の決断に満足している。以前の移籍騒動で何が起きたのか、私はその詳しい内容についてはよく知らないが、彼はすでにマクラーレンに通知をしている」
「エイドリアンのモチベーションは金銭的なものではなかった。それは小規模なチームの環境の中で新しいチャレンジに取り組むというものだったんだ。彼はチームとレッドブルの志を知り、それが正しいと感じたのだと思う。これから待ち構えているチャレンジの難しさを過小評価すべきではないが、彼は全力でその仕事に立ち向かうだろうと確信している」