ワールドシリーズbyルノーのチャンピオン、ロベルト・クビカが、先週、エンストンにあるルノーF1本部を訪れ、来月のバルセロナテストに向けた最終的な準備を行った。
ポーランド出身のクビカは、12月1日にカタルニア・サーキットで行われるテストでチャンピオンマシンのルノーR25をドライブするのに先立ち、エンストンでシート合わせを行った。このテストには、2004年ユーロカップ・フォーミュラ・ルノーV6のチャンピオン、ジョルジオ・モンディーニとともに参加する。トップレベルのシングルシーターシリーズには慣れているはずのクビカも、さすがにF1ファクトリーのスケールには驚いたようだ。
「テクニカルな面でいうと、風洞とエアロダイナミクスのエリアは忘れられない光景だよ」とクビカ。
「だけど僕が気に入ったのは、全てのレーシングカーが並んだワークショップだった。ありとあらゆるマシンのパーツがあって、プロの技術者グループが整備していた」
「あと、マシンに乗り込んだ僕を大勢の人たちが取り囲んだのも、すごく印象的な場面だった。ワールドシリーズでは、5人以上がマシンの周りにいることはないからね。それにルノーがなぜF1で成功したのかもよく分かる。彼らは非常に組織立っているんだ。細かい部分をひとつひとつ調べては注意を払っている。バルセロナテストの話が出たときには、僕を担当してくれるエンジニアに“ステアリングの扱い方を覚えておくように”と、宿題を出されたよ!」
クビカはテストに参加する機会は与えられたものの、来季ルノー・チームのシートを得ることはないだろう。フランク・モンタニーに代わってサードドライバーとなるのは、GP2シリーズ2位のヘイキ・コバライネンにほぼ決まっているからだ。このテストはワールドシリーズでタイトルを獲得したご褒美であり、クビカは2006年を同じシリーズでタイトル防衛にトライするか、もしくはライバルシリーズのGP2に移るものと思われる。