前世界チャンピオンのミハエル・シューマッハーは、悔しさに満ちた今シーズンがエンディングを迎えたことは嬉しいと認めながら、チームの復活を願いつつ来シーズンに臨む心構えであると語った。
中国GPでのシューマッハーは、インスタレーションラップでクラッシュした上、セーフティーカー導入時にスピンを喫し、リタイアを強いられた。レース終了後、冬休みが、自分自身のバッテリーを充電するだけでなく、フェラーリ・チームの機運を高めるという働きをしてくれるように願っていると、はっきり述べた。
「最終戦は、今シーズンの象徴のようなレースだった」と、シューマッハーはため息をついた。
「またしても悪い方へと転がってしまったし、今シーズンが終了して嬉しいよ。だからといってレースにうんざりしているわけじゃなくて、今の今まで改善の兆候が見られなかったという事実のせいさ。ようやく(妻)コリーナや子供たちと安らげると思うと幸せだよ。今はそれが一番の楽しみだ」
今季の勝利はミシュラン勢がボイコットしたアメリカGPでの1勝のみだが、シューマッハーは、ドライバーズ選手権3位で終えられて嬉しいという。だが、それと同時に、F1界の頂点に返り咲くためには、大変な作業が待っていると語った。
「上出来なシーズンだったとは言えないし、両チャンピオンシップとも3位というのは、僕らのパフォーマンスを正確に反映したものじゃない」
「これからはタイトル奪還に向け、来年と自分たちの目標に焦点を絞らなくてはならない。昨シーズンは僕らがどれほど好調だったか、また2005年にはライバルたちがどれだけ良くなったかを考えると、2006年は彼らの中から抜きん出た状態でレースに臨まなくてはならない」
「大勢の人々が、これだけ厳しかったシーズンの後で体勢を立て直すには、一体どれくらい時間がかかるだろうかと訊いてくる。一言で言えば、こういったシーズンの直後というのは、もっとやる気になる。様々な問題がトップへ返り咲こうとするモチベーションを高めるんだ。冬の間に必死に頑張るつもりさ」
落胆は感じているものの、シューマッハーは、彼自身が作り上げてきたチームを責めるつもりはない。
「たとえ不運を嘆くような理由があるとしても、忘れてはならないのは、全てがチームだけで決まるわけではないということだ」
「僕らはベストチームであり、これからもずっとそうさ」
「僕らは、サーキットとマラネロの両方で成し遂げてきたことを誇りに思うべきだ。誰もが今までずっと必死に努力してきたし、弱気になったりはしないよ。だからこそ来年に対しては、僕自身すごく楽観的なんだ。このチームと一緒にいて、うまくいかないわけがない。僕らの目の前には、新しいチャレンジが立ちはだかっている。そのチャレンジが待ち遠しいよ」