フェルナンド・アロンソは、元王者のミハエル・シューマッハーから栄冠Eを奪い、新チャンピオンとなったわけだが、キミ・ライコネンが頑張ってくれたおかげでタイトルがより特別なものになったと語っている。
シューマッハーの5年間にわたる支配が終わり、次なるスポットライトは当然若きスペイン人、史上最年少F1チャンピオンに当てられるわけだが、この彼の偉業はフェラーリ崩壊のおかげで成し遂げられたのだと過小評価する向きも少なからず出てくるだろう。
「誰もがコースの上でミハエルを倒したいと思っている。ツール・ド・フランスで(ランス・)アームストロングを破りたいというのと同じことだ」とアロンソ。自転車競技好きのスペイン人ならではの例えだ。
「初めてミハエルが蚊帳の外となった年だったので、もしかしたらチャンピオンシップは今まで通りの価値を持たないのかもしれない。ミハエルはトラック上にはいたが状況が違っていたから、そういう年にミハエルを倒せたというのは、本当に想定外の幸運だとみんな思うかもしれない」
「しかし、僕にとっては他にいろいろな闘いがあってすばらしい年だった。今年はミハエルのフェラーリが問題を抱えていたから、恐らくはキミのおかげで、この世界タイトルが僕にとってより重いものになった。マクラーレン、特にキミを破ることは今年は特に大変だった。シリーズの終盤など、彼らにトラブルがない限り勝つことは不可能で、そういう年にキミを倒すことは、もしかしたらここ2、3年のミハエルより大変だったかもしれない」
このタイトルを機にF1に新しい‘アロンソの時代’がくると思うかという質問には、今シーズンはよりオープンな状況だったが2006年もその点は変わらないと見ているという。
「僕が思うに、毎年すべてのマシンが変わるから、新聞に載るのが僕の名前の時もあれば、キミだったり、バトン、ファン−パブロの時もあるだろう」と説明する彼。
「今年は僕の年だった。まったく問題がなく、常に幸運がついてまわり、チームが本当によく助けてくれたおかげで、今年僕はすべてがうまくいった。しかし、きっとこの後の2〜3戦、あるいは来年で、状況は変わるかもしれない」
「今年はマクラーレンとルノーがとても強力だったが、来年どこが最強チームになるのか知ることは不可能だ。去年までフェラーリが圧倒的に優勢で、今年こんなことになるとは誰も想像していなかった。来年についても同じことだと思う。V8でゼロからのスタートになるが、僕は本当に自信がある。僕らのチームは2006年シーズンに万全な態勢で準備していると思うから、できればまたチャンピオンシップを争えればと思う」