手に汗握る展開の続く2005年シーズンも、残すところ3戦。今週末には第17戦ブラジルGPが開催される。
今週末のブラジルGPは、これから4週間にわたって繰り広げられるシーズン終盤3戦の初戦を飾るレースとなる。各チームはまず南米へ、そして極東の日本、さらに最終戦の行われる中国へと飛ぶ。
ブラジルGPは、B・A・R Hondaにとって以前からお気に入りのグランプリであった。そして今回は地元の英雄ルーベンス・バリチェロが2006年よりチーム入りすることから、さらにサンパウロ市民の歓声を受けることになりそうだ。クルチバ出身のテストドライバー、エンリケ・ベルノルディもチームに帯同し、ジル・ド・フェランもスポーティングディレクターとして、ホセ・カルロス・パーチェ・サーキットに姿を見せる。
終盤3戦はいずれもヨーロッパから遠く離れたレース。チームはそれに備え、先週のバルセロナで3日間の集中テストを行った。レースドライバーのジェンソン・バトンと佐藤琢磨にとっては、シーズン中最後のテストでもある。前戦ベルギーGPで新たに表彰台を獲得したチームは、その勢いでこれら3戦でも有終の美を飾る構えだ。ブラジルGPの開催されるインテルラゴスは、いくつかの追い抜きポイントを備え、さらに天候次第では非常に面白い展開も期待できる、戦いがいのあるコースと言えるだろう。
■ジェンソン・バトン
「このサーキットを走るのは大好きだから、ブラジルに飛ぶのが本当に待ち遠しいね。これまで何度も天候が急変して、そうするとレースは決まって荒れる展開になった。ここはマシンとドライバー両方に厳しいコースで、特に反時計回りなだけに肉体的な鍛錬は欠かせない。ここはかなりダウンフォースが必要とされるレイアウトだけど、先週のバルセロナテストでは、かなり良い感触を得られた。ハンドリングは良くなったし、空力重視のインテルラゴスではかなりの戦闘力を発揮できるはずだよ。それからここは全19戦のうちでもバンプのひどさで悪評が高い。当然マシンの安定性も重要になってくる。残念なことに、僕は過去数年ここでは完走できていない。ずっとポイント圏内で走れていたんだけれどね。今年こそ上位グリッドを獲得して、チームに更なるポイントをプレゼントしたい」
■佐藤琢磨
「インテルラゴスは今季19戦中3つしかない反時計回りのコースですから、左方向のコーナリングはドライバーには体力的に非常に厳しいものです。一方インフィールド区間は、まるでカートコースのように曲がりくねった低速コーナーが続きます。そう簡単ではありませんが、追い越し箇所もいくつかあるだけに、レースはエキサイティングな展開が期待できます。路面はかなりバンピーでしたが、去年の補修で幾分改善されました。先週のバルセロナテストは手応えの感じられるものだっただけに、今度のレースが楽しみです。これまでの2戦はダウンフォースの比較的軽いコース特性でしたが、今後3戦はそれがしっかり要求されます。僕らのマシン特性に合っているだけに、チームも大きな期待を抱いています。後方グリッドからのスタートは厳しいですが、全力を尽くしてベストの結果を出すつもりです」