以前からウワサになっていたことだが、飲料メーカー、レッドブルがミナルディチームの買収手続きを完了したことが明らかになった。
ベルギーGPの予選後に行われた発表によると、2005年11月1日から、レッドブルGmbHがミナルディチームの全会社株式を取得するとの合意が行われたという。これによりレッドブルは同チーム運営の全責任を負うこととなる。
レッドブルは2チームを率いることになるわけだが、同社は、両チームは独立して運営され、互いに競い合うとしている。
ディートリッヒ・マテシッツ率いるレッドブルは、長年若手ドライバーの育成に努めており、ドイツ、オーストリア、最近ではアメリカでもそういった活動を行っている。その結果、F1入りを狙うドライバーを多数抱えており、これがミナルディ買収に至った一番の理由だという。さらに、レッドブルは、現状ではセカンドチームを持つことは流動資産の維持につながり、将来的にそれ自身が収入を生む可能性もあり、効果的に自己資金を生むことになるかもしれないとしている。
ミナルディを買収したことで、レッドブルはF1の将来に関し、第2の投票権を獲得したことになる。これは、バーニー・エクレストンとFIA側についたチームと、新シリーズ立ち上げを狙うマニュファクチャラー側との力のバランスを、少し均衡させる方向に動かすことになる。ミナルディのオーナー、ポール・ストッダートは断固とした態度で後者に属していた。しかしレッドブル・レーシングはすでにフェラーリとエンジン契約を結ぶことで前者についており、レッドブルの“セカンドチーム”もそれに従うことになるとみられる。そうすると、マニュファクチャラー側6チーム対FIA側4チームとなるわけだ。
チームのスポークスマンは、チーム名、マネージメントおよびドライバーのラインナップなどについてはまだ決定していないと語っている。しかし、もしクリスチャン・クリエンが来季レッドブルに残留し、デイビッド・クルサードと組むならば、ビタントニオ・リウッツィが“セカンドチーム”のシートにつく可能性がある。彼のチームメイトとしては、最近レッドブルとテストドライバー契約をかわしたアメリカ人ドライバー、スコット・スピードが起用されるかもしれない。