イタリアGPの決勝レースで、B・A・R Hondaのジェンソン・バトンは8位で完走し、ポイントを獲得。佐藤琢磨は給油トラブルで大きく後退し、16位完走だった。
サーキット周辺は、前夜にひょう混じりの激しい雷雨に見舞われたが、決勝当日は朝から快晴となり、路面も午後には完全にドライコンディションとなった。午後2時、全車一斉にきれいなスタートでレースは始まった。佐藤は直後の1コーナーでJ・トゥルーリ(トヨタ)に先行されたが、パラボリカ手前で抜き返し、4番手になった。
その後3番手のバトン以下、8番手のG・フィジケラ(ルノー)まで、ほぼ数珠つなぎのこう着状態が10周以上にわたって続く。16周目、佐藤が1回目のピットイン。ところが燃料補給でトラブルが発生。次の周に確認のための追加給油を余儀なくされる。これで佐藤は、16番手まで後退。一方のバトンは最初のピットインを終え、6番手でコースに復帰。バトンと佐藤の2台はポジションアップを試みるが、特に佐藤は給油トラブルが原因となった重たい燃料搭載量のため、ペースを上げることができず、前車との差はなかなか縮まらない。
35周目、バトンは2度目のピットイン。しかしバトンも佐藤の給油トラブルの影響でピットインのタイミングを早めざるを得ず、それより遅いタイミングでピットに向かったマシンに先行されてしまい、8番手に後退してしまう。その後、佐藤もピットインを済ませ追い上げるものの、B・A・R Hondaの2台は最後までペースを上げられず、ポジションをアップすることができない。結局その順位のまま、バトンは8位、佐藤は16位でチェッカーを受けた。優勝はJP・モントーヤ(マクラーレン)だった。
■ジェンソン・バトン 8位
「予選以外は苦難の週末になってしまった。ローダウンフォース仕様のマシンでグリップを得ることが難しく、このサーキットは僕らにとって難しかった。燃料給油装置に問題があり、予定より4周早くピットインしなければならなかったので、それが結果に響いてしまった。これからの4戦はまたハイダウンフォース傾向のサーキットになるので、もう一度速さを取り戻せることを期待しているよ」
■佐藤琢磨 16位
「残念なレースでしたし、思っていたような結果を残せませんでした。スタートはとてもエキサイティングでした。1コーナーではポジションを守りましたが、トゥルーリとサイド・バイ・サイドになり、1周目の最後でもう一度彼を抜き返しました。ポジションを上げる瞬間はエキサイティングでしたね。最初のスティントの間は、すべて順調だったのですが、最初のピットストップの給油でトラブルが発生し、2回目のストップの後はマシンが重くなり、ハンドリングが悪化してグリップを失ってしまいました。今週末はここまでとても良かっただけに残念ですが、来週末のスパでは頑張りたいと思います」
■ジル・ド・フェラン B・A・R Hondaスポーティングディレクター
「2台そろって2列目からのスタートだったので、もっと良い結果を期待していた。スタートは良く、すべて順調に運んでいたが、最初のピットストップで2人の燃料補給に問題があり、戦略面で妥協を強いられた。特に余計なピットストップをしなければならなかった琢磨への影響は大きかった。さらに、2人のマシンはハンドリングがレースの間に悪化し、著しくペースが落ちてしまった。今週末の結果は非常に残念だが、スパでの異なるチャレンジを楽しみにしている」
■中本修平 Honda Racing Developmentエンジニアリングディレクター
「とても残念な結果になってしまいました。スピードが足りない理由にはなりませんが、燃料給油装置にもトラブルが出てしまいました。次のスパは、もっと良い結果を出せると信じています」