ロス・ブラウンは、フェラーリが来年の車のデザインをかなり早い時期に始めるだろうと述べた。新たに義務付けられるV8エンジンによって、車が大幅に変わることになるのがその主な理由だ。
有力チームであればどこでも研究開発とデザインの作業は絶えず進行しているが、新しい車を作るプロセスには必ず明確な出発点があるものだ。近年フェラーリは他の多くのチームより新車の設計が確定するのが遅い傾向があったが、ブラウンによれば今回はV8エンジン搭載マシンのデザインを早めに決めたいという。
「おそらく少し早めになるだろう。レギュレーション、特にエンジンの規定に根本的な変化があるからね」とブラウン。「現在ハイブリッドカーを製作していて、今年の夏には走らせる予定だ。これはV8エンジンを載せられるように今年の車を改造したものになる」
「その後、今年の車よりも早めに新しいレースカーを準備するつもりでいる。つまり、私たちは今までと比べてより一般的なスケジュールに戻るわけだ。来年早々には新車を発表し、それまでにハイブリッドカーを使ってエンジンやトランスミッションまわりのパーツのテストを進める」
ブラウンは、チームがF2005の継続的な開発と新車開発へのリソースの投入との間のバランスを考えなければならないことを認めた。ドライバーズ選手権でもコンストラクターズ選手権でも今季のタイトル防衛の可能性は低くなっているだけに、現行モデルに注ぐリソースが減らされるのは論理的であるように思える。
「バランスを考えざるを得ない。今年達成できることと、来年に向けてどのリソースを振り向けることができるかのバランスだ。明らかに今年の私たちは十分にコンペティティブではない。すべての努力を今年に注ぎ、来年を犠牲にするというのは、私には正しい選択とは思えない」
「今シーズンのパフォーマンスの改善と、来年私たちが望むポジションを取り戻せるようにするための努力との間でバランスの取れた判断をしなければならないということだ」