フェラーリはF2005の1周目のパフォーマンスを改善し、ドライバーに予選で上位に食い込むチャンスを与えるため、チーフデザイナーのロリー・バーンをその問題の解決に取り組ませているという。
南アフリカ出身のバーンは、近い将来の引退に備えて、この冬、チーフデザイナー代理のアルド・コスタに今年のマシンの全体的なまとめ役を託した。そして時間に余裕のできたバーンは、主としてさまざまな特殊プロジェクトに取り組むためにチームに残留した。彼の現在の仕事には、予選でのパフォーマンスの問題も含まれている。
フェラーリはシングルラップ予選でブリヂストンタイヤのグリップ力を引き出せず、今年初めから苦戦を続けている。ミハエル・シューマッハーもルーベンス・バリチェロも、予選の限られた時間内にタイヤに十分な熱を発生させることができないため、結果としてグリッド下位に沈むことが多いのだ。シューマッハーは先週末モントリオールで予選2番手を獲得したが、ポールシッターのジェンソン・バトンと同様、彼の車は他の上位陣よりも明らかに燃料の搭載量が少なかった。
「テストにおいて、私たちはこのタイヤでより速い予選タイムを出す方法を探すためにさまざまなトライをしている」と、テクニカルディレクターのロス・ブラウンは言う。「その点でまだ大きな進歩があったとは言えないが、これはブリヂストンと共に対処しなければならない問題であり、何らかの結果を手にするまでには少し時間がかかるだろう。これにはタイヤの準備、最初の周からタイヤをうまく使うための車のセットアップ、などなどが関連してくる。まだ大幅な進歩はないが、多くの作業が進行中だ」
「こうしたプロジェクトにはロリーも参加する。この車の責任者はアルドであり、そのため私たちはロリーを他のプロジェクトに投入できるんだ。ロリーにはレースエンジニアとして、デザイナーとして、そしてテクニカルな面での膨大な経験があり、さまざまな領域を横断して仕事ができる」
「そんなわけで、1周目のパフォーマンスの問題を特定して開発し、私たちの弱点を克服するよう試みることが、ロリーの関与するプロジェクトのひとつになっている。彼の経験とレーシングスピリットはこの仕事にぴったりだよ。ロリーはホンモノのレーサーだ。彼はアドバンテージを見出すために合法なことなら何でもやるだろう。彼は見事な水平思考の持ち主だからね」