BARのボス、ニック・フライは、パリで行われたジェンソン・バトンの車の最低重量規定違反の問題に関する審問について、彼にとっては満足のいくものだったと述べた。また、この審問において、FIAが同チームの2005年F1世界選手権からの除外というきわめて重い処罰を要求したことが明らかになった。
チーム側はこの審問での代理人として、ロンドンの弁護士デイビッド・パンニックを起用した。彼は英女王陛下やテニスプレイヤーのグレッグ・ルゼドスキーらをクライアントとする大物弁護士だ。また、チームスタッフからは、テクニカルディレクターのジェフ・ウイリスを始め、チームメカニックのアリステア・ギブソン、給油担当のクリス・フライ、エンジニアのクレイグ・ウイルソンが出席した。
パンニックは、FIAの主張に「チーム側に不正行為、不誠実、および詐欺的行為があった」との申し立てが含まれていることに対し、強い異議を唱えた。
予想されたとおり、BAR側は、600kgルールが適用されるのは車がフィニッシュした時点での車重であり、燃料を抜き取った後の車重ではないという解釈に基づいて主張を展開した。こうした解釈は他チームの考え方とは明らかに異なるものだが、同時にウイリスは、燃料の残りが6kg未満になると車の燃料システムは効果的に作動しないことを立証しようと試みたという。
「全般的には、この審問にたいへん満足している」と、聴聞会を終えたフライは英クラッシュネットに対して述べた。
「私はチームのメンバーたちがこの審問で行ったことをとても誇りに思っている。彼らは自分たちの考えを堂々と述べ、その主張には高度のプロフェッショナリズムと高潔さがあった。そのことがまず重要だと私は思う」
「さらに重要なのは詐欺的行為に関する点だ。私たちはこれが詐欺あるいは不誠実によるものではないことを決定的に証明できたと思っている。それに加えて、オフィシャルの少なくともひとり(ジョー・バウアー)は、私たちの主張を受け入れた。全体として、私たちは自分たちの立場を十分に主張できたと思うし、明日の裁定までに判事が慎重に検討してくれることを期待している」
判事がBARの主張を退けた場合、チームが次にどんな行動を採る可能性があるかについて、フライは推測に基づく発言を避けた。
「まず第一に、判事が私たちの主張を退けることはないと思っている。だが、私たちの次のアクションは、下される処罰の重さによって変わってくるだろう。もちろん、選手権から除外されることになった場合には、さらに戦う以外に選択の余地はない。しかし、現時点ではそういうことにはならないと考えている」
FIAが提出した抗議に対する裁定は、F1サーカスがすでにイモラに入った5日木曜日に言い渡されることになっている。