Lucky Strike B・A・R Hondaは今週末に開催される第3戦バーレーンGPに向けて、中東へと飛び立った。
チームは先週、南フランスのポールリカールサーキットで、次の2戦を見据えた集中的なテストを実施。マレーシアでトラブルの出たエンジンの信頼性向上、そして空力開発、ヨーロッパラウンドに向けたタイヤスペックの選択などが、主な目的だった。
テスト初日は第3ドライバーのアンソニー・デビッドソンと、テストドライバーのエンリケ・ベルノルディが走行。この日だけで2人合わせて343周、1、664kmを走行した。しかもデビッドソンはこの日のトップタイムをマーク、一方のベルノルディも、1日の周回数としてはチーム記録となる176周をこなした。テスト2日目以降は悪天候にたたられたものの、結局今回のテストでは実に1、768kmを走破した。
昨年初めて行われたバーレーンGPで、チームはバトンが3位、佐藤琢磨が5位でフィニッシュ。2戦連続となるシーズン2度目の表彰台、そしてダブル入賞を獲得している。今回も信頼性の問題さえ解決できれば、マレーシアGPでのパフォーマンスを見る限り、昨年のような成功は十分に射程距離内と言える。
同国シャキールにある5.417kmのサーキットは、いくつかの低速コーナーも備え、空力とトラクション性能が重視されるレイアウトである。さらに砂漠地帯だけあって気温が高く、ドライバーとマシン双方に大きな負担となる。マレーシアほどの湿度はないものの、路面温度はかなり上がりそうだ。
■ジェンソン・バトン:
「去年のバーレーンでのレースは、素晴らしい体験だった。走っていて、すごく楽しいサーキットだったしね。痛快な高速区間、そしてマシンの限界まで攻める2つの大きなシケイン、そのすぐ後には、左右の複合コーナーが控えている。何箇所か、抜けるポイントもある。その代表的なのが、長いストレートからフルブレーキングする1コーナーだろうね。今年は各チームすごい接戦なだけに、白熱したレースになると思うよ」
■佐藤琢磨:
「マレーシアがあんなことになってしまっただけに、バーレーンで再びマシンに乗り込むのが待ち遠しくてなりません。去年のここでは、力強い走りをお見せすることができました。結果としても、シーズン初となる5位入賞を果たしましたしね。バーレーンに行くのが、とにかく楽しみです」
■ジェフ・ウィリス B・A・R Hondaテクニカルディレクター
「マレーシアでは2台ともリタイアという、非常に残念な結果に終わってしまった。今度のバーレーンが非ヨーロッパ圏での最後のレースになるが、B・A・R Honda 007のマシンパフォーマンスをフルに発揮して、あのマシンにふさわしい結果を出したいと思っている。バーレーンの暑さは、前戦マレーシアに勝るとも劣らない。路面温度もきわめて高く、レース中のタイヤへの負荷がレース展開に大きく影響するだろう。今回のポールリカールテストでは、ミシュランタイヤのスペック決定を行ったほか、マレーシアで出た信頼性の問題の対策、そして空力開発などに集中した。バーレーン特有の問題としては、砂漠の砂がコース上を舞うことが挙げられる。そのため路面コンディションが、あっという間に変わってしまうのだ。ここは全体としては低中速主体のレイアウトだけに、トラクション重視のセットアップが要求される。同時にアンダーステア
にも十分注意しつつ、フルブレーキング時の安定性も考慮しなければならない」
■中本修平 エンジニアリング・ディレクター:
「マレーシアで発生したトラブルには十分な対策を施しました。バーレーンではポイント獲得を果たすべく、ベストを尽くします」