自身の母国にＦ１を呼び戻すべくオーストリアのＡ１リンクサーキットを一新したいとしていたレッドブルのボス、ディートリッヒ・マテシッツだが、彼のプランは当局に阻まれる形で断念されることになった。
　マテシッツは先ごろ、ジャガー・レーシングＦ１チームを買い取り、自らの世界的に有名な飲料ブランド名をその名につけたばかり。Ａ１リンクとその周辺地域の再開発にはおよそ９億ドルを注ぎ込もうとしていたのだが、彼のプランの環境問題について地元住民が反対運動を起こし、これに破れた。このプランは、同サーキットをＦ１標準レベルに戻す改修工事だけでなく、レーススクール、自動車博物館、ホテル、マテシッツの航空機コレクションの保管場所なども増設しようという内容だった。
　マテシッツによれば、この話は最初は地元当局から投資を頼まれたことであるため、今回の裁定に困惑しているというが上訴するつもりはないという。
「我々は何とかしてくれと頼まれたのに、今度は拒否された」と、オーストリア地元紙に答える彼。「我々にとってこのプロジェクトはもう完結し終わったこと。引きずる意味はない。何かを無理強いされたことはなかったが、我々は何をやるよう頼まれたのか、よく考えてみた。目的の達成のために我々はできる限りのことをすべて提供したのに（我々のプランは）却下された」
　またマテシッツは他に何も手がなかったとも話す。
「マシンが走れない場所に、レーストラックを造る必要があるかね？」と尋ねる彼。「レーストラックになんの興味もないと言われれば、我々も提示するべき第二のプロジェクトなどない」

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