BARのボス、デイビッド・リチャーズがジェンソン・バトンの来季ウイリアムズ移籍の決定に唖然とし、また400名の優秀なBARスタッフとともにバトンからの説明を求めたいと語った。
BBCのラジオ番組、ファイブライブでリチャーズが語ったもので、プロドライブのボスでもある彼が、弱冠24才のバトンに食って掛からん勢いだ。
バトンは契約上は来シーズンもBARで走ることになっており、ウイリアムズとサインを交わすことができたのは、最近確定されたと見られる、BARへのホンダのエンジン供給に関わる逃避手段の条項を行使したためといわれている。
「これは馬鹿げた話しであり、我々はその正当性を調べたい。私は、唖然としたよ」とリチャーズ。現在ドライバーズ選手権で3位につけるバトンがチームを離れるという報に受けた衝撃の大きさを表現する。
木曜の午後遅く(イギリス時間)に行われたウイリアムズの発表。リチャーズは、コース上でウイリアムズをいつでも破れる現在のポジションにまでBARチームを築いてきた当人だけに、ショックだったようだ。
「契約書のことではない。我々はジェンソンに会って話し合わなければならない」
一騒動もち上がりそうな気配だが、BAR、プロドライブ、そしてWRCのボスであるリチャーズはこう加える。「ジェンソンのマネージメントから何度もEメールを受け取っている。来年だけでなくその翌年についても彼がチームにとどまることが形式にかなっている、という内容だ」
「パドックの露骨な連中は、我がチームが最も充実し最も成功したドライバーを手放したと言うだろう。2年前は低迷していた彼を、我々がチームの偉大なメンバーの一人に引き上げたのだ」
バトンにとってはBARでより愉しいシーズンエンドが迎えられたかもしれなかったのだが。「事の次第を我々自身が明らかにするまで、ジェンソンを非難するのは公平ではないだろう」というリチャーズ。しかし、「ファクトリーで働く400名は説明を望んでいる。代わりになるイギリス人ドライバーがどこにいるというのか」
バトンの新たな雇用主となるウイリアムズ側では、すべて問題ないと認識している。「何日か前にジェンソンの法律担当から連絡があり、彼のオプション契約は履行されず、彼はフリーの身になったと聞いた」とファイブライブで話すウイリアムズの新テクニカルディレクター、サム・マイケル。
「ジェンソンとは然るべき契約を交わした。我々自身の法的な判断なしで事を進めるはずがない」と続けるマイケル。「我々の判断はジェンソンの法律および管理チームを支持するものなのだから、我々に関していえばこの契約は有効だ」