Q&A:パット・シモンズ
2004年7月21日
先週金曜日、FIAは2005年以降のルール変更に関する提案のパッケージを公表した。これにはシャシー、エンジン、タイヤについての変更が含まれている。この提案はいったいどんな未来を暗示しているのか、ルノーF1のエンジニアリング担当エグゼクティブディレクター、パット・シモンズに聞いた。
Q:パット、金曜日に公表された“パッケージ”の手法について、どんな感想をお持ちですか?
パット・シモンズ(以下PS):もし速度を落とすためのルール変更が行われなければ、一部の開催地では来年には安全性の面で十分とは言えない領域に達してしまうだろう。それに関しては私たちも同意していた。私たちは一気にラジカルな変更を行うよりも、むしろ定期的に小さな変更を加えていくべきだし、技術作業部会(TWG)もここ何年かはそのことを念頭に置いて仕事をしてきた。金曜日に発表されたルール変更案は、2005年についてはちょうどいい“中間地点”だと思う。これによってラップタイムは実質的に数年前の水準に引き戻される。そして2006年にはエンジンの基本構造が変わるという根本的な変更を迎えることになる。
Q:より細かい部分では、シャシーとエンジンの変更によってどのような影響が生じるでしょうか?
PS:シャシーに関しては、TWGの提案よりさらに一歩進んでいる。その影響の大きさを正確に把握するにはまだ数日かかると思うが、FIAは意図的に当初の案よりも少し変更の度合いを押し進めたようにも見える。グリップレベルが低下するので、車は今よりもドライブは難しくなるはずだ。しかし、それほど大きな変化ではない。おそらくスピードは2、3年前の水準に戻るだけだ。エンジンに関して言えば、中期的にはV8は興味深い技術的チャレンジになると思う。2005年シーズンは過渡的な年になるが、1基のエンジンを2レースにわたって使うようになることの主な影響として、パワーアップのための開発のペースが遅くなるだろう。パワーを出すことよりも、V10を1300kmもたせることにリソースを割り振らざる得ないからだ。
Q:この変更は目的を達することができるでしょうか?
PS:個人的な考えとしては、エンジンの変更によってレースウイークエンドに使われるパワーの平均的な値は下がるが、ピークパワーは下がらないと思う。つまり、予選やレース中のごく短い時間に搾り出される出力は、今年のレベルとあまり変わらないかもしれない。空力の変更は、先ほども言ったように、車のドライブを難しくすると同時にドラッグを減らす効果がある。このためコースによってはトップスピードが全体的に上がる可能性もあるが、ある程度まではコーナーの立ち上がり速度が遅くなることで相殺されるはずだ。
Q:タイヤの変更についてはどう思われますか?
PS:タイヤに関する状況は最大の不確定要素だ。近年のスピードの上昇は主にタイヤによるものであり、その寄与率は車を構成する他の要素と比べて最も大きい。しかし、タイヤを現在私たちが使っているものより4倍長持ちするようにしても、ラップタイムが劇的に遅くなるわけではないかもしれない。もちろんタイヤは多少硬くする必要があり、それによって車は遅くなって、デグラデーションの度合いも小さくなる。ただ、忘れてはならないのは、現在のタイヤでも磨耗はそれほど激しくないという点だ。私たちは新しいものを使った方が戦略的に有利だという理由で、まだ何の問題もなく使えるタイヤを交換しているんだ。もうひとつの重要なポイントは、タイヤの使い方が予選のルールとも関連しているということだ。予選のルールは車のデザインにも影響するが、私たちは今のところまだ最終的な予選方式がどうなるのか知らされていない。
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 237 |
2位 | ランド・ノリス | 156 |
3位 | シャルル・ルクレール | 150 |
4位 | カルロス・サインツ | 135 |
5位 | セルジオ・ペレス | 118 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 112 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 111 |
8位 | ルイス・ハミルトン | 85 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 41 |
10位 | 角田裕毅 | 19 |
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1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 355 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 291 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 268 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 196 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 58 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 30 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 19 |
8位 | BWTアルピーヌF1チーム | 9 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 2 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
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