伝説のシルバーストン・サーキットからまさに目と鼻の先、オックスフォードシャーのエンストンにヘッドオフィスとエンジニアリングセンターを構えるルノーF1チーム。先週末のフランスGPでフェルナンド・アロンソが2位、ヤルノ・トゥルーリが4位という今季最良の結果を挙げたばかりとあって、シルバーストンでのバトルに向けた準備も順調に進んでいる。
「先週末のマニ‐クールで、R24はフェラーリに対してもとてもコンペティティブだった」とトゥルーリは言う。「シルバーストンでもそれを維持できるといいね。個人的にはフランスでの悔しい経験を帳消しにできる結果を期待している。あの最終ラップを振り返ってみると、僕は最終コーナーのひとつ手前の進入でかなりワイドなラインを通ってしまい、ルーベンスにオーバーテイクのチャンスを与えることになった」
「彼が飛び込んできた時、僕には2つの選択肢があった。パスされないようにドアを閉じて、接触してフィニッシュできなくなるリスクを冒すか、あるいは潔く自分のミスを認めるかだ。レースの後で僕は相当落ち込んだけど、でもそれがF1の現実だ。どんな小さなミスも必ず代償を払わされる。とても厳しい教訓だったが、今週末のシルバーストンではもっと強いドライバーになろうと決意している」
「去年はここでフロントロウに並んだ。マニ‐クールでのパフォーマンスも考えると、再び表彰台に上がることを目指して戦うことになるだろう。シルバーストンはテクニカルなサーキットだが、車にとっても要求のレベルが高いコースだ。あらゆるタイプのコーナーがあって、なかなか正しいセットアップが見つからないし、1周を完璧にまとめるのも難しい。楽しさという点では間違いなくベケットのセクションが最高だけど、このサーキットはすべての部分がチャレンジングだ」
一方、チームメイトのアロンソはこう語った。「僕は最高の気分でシルバーストンのレースに臨もうとしている。マニ‐クールではチーム全体にとって力強いレースができたし、フェラーリが必死で勝ちに行こうとするところまでプレッシャーをかけられた。今年それができたチームは決して多くはないから、とても満足しているよ。シルバーストンは僕らの車にもよく合っている。優れた空力特性が必要なコースだからね。ここはパワーサーキットでもあって、6月のテストではその点で少しライバルに遅れを取ったが、あのときと比べて僕らのパフォーマンスは確実に向上している。僕らの競争力はかなり高いと思うよ」
「シルバーストンではドライビングによる速さの差が出にくい。ドライバーはみんなここをよく知っているし、テストも何度もやっているからね。もうひとつ、シルバーストンの特徴と言えるのは風向きの問題だ。ドライバーにとって、風がどっち向きに吹いているかを知るのがとても難しい。推測はできるにしても、確信がもてないんだ。実際に追い風なのか向かい風なのかが分かるのは、ブレーキングを始めた瞬間だ。つまり、ブレーキが間に合わなかったり、逆に思ったより早く減速してしまったりしたときに、初めて風の影響を感じる。そういうときに瞬間的に微調整をしてコントロールできるように構えていないと、とんでもないことになるんだ!」