ラルフ・シューマッハーが今季終了後にライバルのトヨタ・チームに移籍するという報を受け、ウイリアムズBMWは現在怪我で欠場中の彼のこれまでの貢献に謝意を表した。
今週末のイギリスGPを前にトヨタから契約発表があったわけだが、当のラルフは先月のインディアナポリスでの事故により脊椎骨折を負い、療養のためシルバーストンも欠場の予定だ。
移籍の発表を受けてチーム代表のフランク・ウイリアムズは、当時ウィンフィールド・カラーだった1999年にアレックス・ザナルディの僚友として加入して以来のラルフの功績に感謝の意を表した。
「ラルフはこの5年間というもの真に目覚しい活躍を見せながら、ゆるぎない貢献をチームに与えてくれた」と、チームのウェブサイトにて評するウイリアムズ。「しかしながら、我々は、他のチームで自らの将来のキャリアを追い求めたいという彼の決断を全面的に尊重し、新しい場所での活躍を願っている」
ラルフはチームのメンバーと必ずしも常に意見の一致を見てきたわけではなく、特に元テクニカルディレクターのパトリック・ヘッドには、走りに精彩がないとして怒りを買ったこともある。だがしかし、エンジンサプライヤーのBMWからは寵愛を受けており、BMWとしては彼の移籍は本意ではなかったようだ。
「変化の速いF1ビジネスでは継続が成功の要因となっているし、それはドライバーラインナップについても同じこと」と、BMWのモータースポーツ・マネージャーを務めるマリオ・タイセン。「だが、2004年末でラルフはウイリアムズF1で6年を過ごしたことになり、ドライバーとして環境の変化について考えるには至極当然な時期といえる。フランクとラルフは長く集中的な交渉を重ねた上で、2004年の契約期限を更新しないことを両者合意で決定した」
ウイリアムズ・チームではチームメイトのファン−パブロ・モントーヤも籍を移すこともあり、来季のドライバーについての発表はしばらく先になりそうだ。マーク・ウエーバー、デイビッド・クルサード、ジャック・ビルヌーブ、ニック・ハイドフェルド、ジャンカルロ・フィジケラ、アンソニー・デイビッドソンらが契約のため売り込みをかけているのだが、チームは正式発表の時まで手の内のカードは明かさないようだ。