公式練習の１回目は気温１７度、路面温度３５度、湿度３５％と、快晴ながらやや肌寒い天候の中、午前１１時から１時間にわたって行われた。パナソニック・トヨタ・レーシングは、いつも通りサード・ドライバーのリカルド・ゾンタを加えた３台体制でデータ収集とセットアップを開始。２３周を走り込んだリカルド・ゾンタが１分１４秒９５２の４番手でチームをリード。オリビエ・パニスは１分１５秒９９７で１０番手、クリスチアーノ・ダ・マッタが１分１６秒４７５で１２番手に付けた。２時間のインターバルの後、午後２時から１時間行われた公式練習２回目は、気温２２度、路面温度４７度、湿度３２％と気温、路面温度が上昇する中、リカルド・ゾンタが１分１４秒８７１で６番手、これにクリスチアーノ・ダ・マッタが１分１５秒１４６の７番手で続き、オリビエ・パニスは１分１５秒５３８で１３番手タイム。３台共に順調に周回を重ね、明日の予選、日曜日の決勝へ向け、体制を整えた。

　クリスチアーノ・ダ・マッタ
「朝の公式練習１回目は、不満足な結果となった。しかし、２時間のインターバルの間にいくつかセットアップを変更したところ、公式練習２回目では非常にスムースに走ることが出来、今シーズンで、もっとも良い公式練習結果となった。それも、今日は燃料を積んだ状態で良い結果が得られた。１日を通じて思いがけない公式練習初日の成果となったが、明日が重要なポイントになるはずだ。今日我々は良いスタートを切ることが出来たが、決して最良のスタートとは言えない。何が起ころうと努力を続けて行かなくてはならない」

オリビエ・パニス
「私にとって、カナダＧＰのレースウィークは、不運にもあまり良いスタートにはならなかった。今日、行われた２回の公式練習の結果は満足出来るものではなかった。一日を通して、クルマの仕上がりに自信を持てなかった。加えて、今日はコース上の混雑にも悩まされた。もう少しバックミラーをまめに確認する必要のあるドライバーが何人かいるようだ。我々は今晩も、クルマを改良するための作業を続け、明日へ向けて良いセットアップを見つけるために、今日のデータを注意深くチェックする必要がある」

リカルド・ゾンタ
「２回の公式練習を通して、成果を得られた。予選での１周の速さと、決勝レースにおけるロングランのパフォーマンスを兼ね備えたタイヤを見つけることが出来た。ロングランを試した中で達成したラップタイムは手応えのあるものだった。今週、私は風邪に苦しんでおり、今日の公式練習中も、体調は完全ではなかった。それだけにこのリザルトは、我々の努力を反映した、価値のあるものだと思う。この２回の公式練習で、モントリオールを攻略するために重要な、ブレーキおよび縁石でのハンドリングの改善も進んだ。全体的に非常に良い一日だった」

マイク・ガスコイン　シャシー部門　テクニカルディレクター
「とくに大きな問題もなく、有意義な一日目となった。我々はタイヤ評価を含む、通常通りのプログラムを遂行した。全体的にクルマのバランスは良く仕上がったが、オリビエ・パニスは他の２人のドライバーに比べ、やや不満が残ったようだ。“トヨタＴＦ１０４”は恐らく、今シーズン最もコンペティティブな仕上がりになったと思う。我々はこれから、予選、決勝へ向けて、２種類のタイヤのどちらを選択するかを決めるべく、データの解析を行う」
高橋敬三　技術コーディネーション担当ディレクター　
「いつも通り、金曜日に行う、タイヤのデータ収集といくつかの異なる車両セットアップに時間を費やした。オリビエ・パニスは、まだ充分にセットアップは決まっていないが、他の２台は好調なので、明日に向けて、さらにレベルアップを図る」

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