ファン−パブロ・モントーヤが、サンマリノGPのオープニングラップで見せたミハエル・シューマッハーのドライブを再び激しく非難した。
グリッド2列目からスタートでトップに立とうとしたモントーヤだが、立ち上がりはいささかスピードに乗れず。それでも、タンブレロでミハエルに隙を見出し、前に出ようと試みる。が、ミハエルがこれを阻止。モントーヤは、ビルヌーブとトサで再びオーバーテイクを試みるものの、道を譲らぬミハエルに今度はコースの外へ押し出されてしまった。
その間にトップのジェンソン・バトンの姿が遠く離れて行ってしまい、モントーヤとしては、ミハエルのディフェンスの仕方を快く思わなかったのは当然のことだ。
「1周目はかなりタフだったね。シューマッハーのスタートはお粗末なものだった。彼は第1シケインの立ち上がりや最初のいくつかのコーナーで遅かった。しかし、追い抜こうとしたんだけれど、2度も道を塞がれた。それで少し後退したのだが、もう一度追い越しをかけたら、今度は僕にぶつかってきてグラスに押し出したんだ。あれはフェアじゃなかったよ。とても残念だ」
表彰台の上では互いに言葉を交わしていたモントーヤとミハエルだが、表彰式の後、ミハエルは自分のラインを走っていただけだと、当時の様子を説明した。
「トップに離されないためにも、彼を抑えたかったんだ」とミハエル。「彼が仕掛けてくるのが見えたが、その後視界から消えた。アウトから来るなんて思いもしなかったよ。あれはただのレーシングアクシデントだと思う」
それに対してモントーヤは、「彼は僕が見えなかったとか、僕がそこにいるとは思わなかったと言っているけれど、本当かどうか分からない。たぶん、僕のマシンを確認しなかったんだと思う」と語り、ドライバー毎に異なるルールが適用されるのはけしからんと意見を述べた。
「例えば、インディで僕がルーベンスにちょっと当たった時のことを考えてくれ。インを走っていた僕は、アクシデントを避けようとしてグラスの中に入ったんだけれど、それでも彼のマシンと接触してしまった。その結果、僕はドライブスルーのペナルティを与えられ、タイトル争いから脱落してしまった。あれがなければ、僕は去年ワールドチャンピオンになれたかもしれない」
「同じことをやっても、ミハエルは許される。それではちょっとアンフェアだよ。ルールというのは皆に平等でなければならないはずだ。フェラーリのドライバーであるとか、ミハエル・シューマッハーであるとかは全く関係のないことだ」
今回のモントーヤとミハエルの件は、スチュワードに報告されず、審議の対象にもならなかったが、一方、モントーヤの僚友ラルフ・シューマッハーとルノーのフェルナンド・アロンソが残り10周を切った時点で接触した件は審議された。
「僕は自分のラインを走っていた。彼が道を塞いだんだ」とアロンソ。「でも幸いダメージはなかった。このサーキットでの4位は嬉しい」
ラルフはバーレーン戦でBARの佐藤琢磨をコース外へ押し出したとして、警告処分を受けていた。