F1第4戦サンマリノ・グランプリでは、世界王者ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)が開幕以来の全戦全勝を守った。しかしその序盤のレースは苦しいものだった。ポールポジションからスタートしたジェンソン・バトン(ラッキーストライクB・A・Rホンダ)が、そのまま先頭を逃げ、一時は2秒以上の差をつくったからだ。しかしシューマッハはじりじりと差を詰め、最初のピットストップで逆転した。バトンは2位で戻り、そのままの順位でチェッカー。3戦連続表彰台を、自己最高の2位で飾った。
バトンは次のように喜びを語った。
「今回も素晴らしいレースだった。2位になったことで、最終的な目標である僕とチームにとっての初勝利にまた一歩近づいた。改修されたパッケージはとても効果的だった。ホンダとミシュランとともにこれだけの結果を出せるのだと、証明できた。今日はとてもうれしい。今年は素晴らしいシーズンになりそうだ」
レース結果の上位はミシュランドライバーが占め、8位までに6人が入った。ファン‐パブロ・モントーヤ(BMWウイリアムズF1チーム)は、オープニングラップでシューマッハを抜こうとしてコースからはみ出したが、順位を落とすことなく走りつづけ、3位でフィニッシュした。
「ミハエルを抜こうとして、2度ドアを閉められた。いったん退がって、もう一度トライしたときに接触し、芝生の上に押し出された。フェアなレースとはいえない。とても残念だ」
フェルナンド・アロンソ(マイルドセブン・ルノーF1チーム)はコース上で4位に入ったが、終盤のトサ・コーナーでラルフ・シューマッハ(BMWウイリアムズF1チーム)と接触したことがレース後の審議にかけられており、最終順位は未確定だ。シューマッハはこの接触でスピンし、7位に後退した。ヤルノ・トゥルーリ(マイルドセブン・ルノーF1チーム)は、ルーベンス・バリチェロ(フェラーリ)との長く激しいバトルに競り勝ち、5位を得た。
技術的トラブルのためにまだ一度も完走がなかったキミ・ライコネン(ウェスト・マクラーレン・メルセデス)は、今日のレースで一息つくことができた。レース前にエンジンを換装したため最後尾スタートだったが、追い上げて8位に入り、今シーズン初ポイントを獲得した。
その他のミシュランドライバーの中では、オリビエ・パニス(パナソニック・トヨタ・レーシング)の11位が最高で、12位デビッド・クルサード(マクラーレン・メルセデス)、13位マーク・ウェバー(ジャガー・レーシング)、14位クリスチャン・クリエン(ジャガー・レーシング)と続いた。クルサードは1周目に他車と接触し、フロントウイングを失ってコースアウト。予定外のピットストップでライバルたちから大きく遅れ、追い上げるレース展開だった。
■ミシュランの一日
ピエール・デュパスキエ
(ミシュラン・モータースポーツディレクター)
「今回のレースにはかなり攻めた手法で挑みましたが、私たちのタイヤは各スティントの最後までいい状態を維持していました。夜のうちに激しい雨が降ったものの、路面状態は昨日とそれほど変わりませんでした。レース序盤はやや滑りやすかったようですが、そのあと大きく変化しませんでした。ミシュランが用意した3種類のドライ用コンパウンドは、どれも週末を通じて速く、安定していました。これまでのどのサーキットでも同じです。ジェンソン・バトンはポールポジションからスタートして、とてもいいレースをしましたね。B・A・Rがミシュランにスイッチしてから大きく進歩したことの証です」