ブリヂストン・モータースポーツは、新たな意気込みに燃えて今週末からのF1ヨーロッパラウンドに臨み、ミハエル・シューマッハーの開幕3連勝をもたらした勢いを、今後も維持しようと決意している。
F1がヨーロッパに戻ることで、F1の各チームはさらに気合が入ることになるが、ブリヂストンもそれは同様だ。戦いに挑む準備はできており、すでに3勝を挙げているブリヂストンは、イタリアでのレースを心待ちにしている。
「ブリヂストン・モータースポーツは、2004年を素晴らしい形でスタートしたし、トップにとどまれるように、技術部門は頑張って働き続けている」と、安川ひろしモータースポーツ・ディレクターはコメントした。「今回もまた、パートナーの各チームは、タイヤテストプログラムにできる限りのリソースを捧げてくれている。特にフェラーリは、ポテンザタイヤと調和するマシンを開発するために頑張ってくれている」
「私たちは、各チームと密接に連携して仕事を進めることで、大きな成果を生んできた。イモラは、ヨーロッパシーズンの幕開けとなる素晴らしいレースだ。特にブリヂストンは、フェラーリとミナルディという2つのイタリアチームにタイヤを供給しているからだ。私たちはたくさんの応援を受けるだろうし、イタリアの雰囲気はいつも楽しく、情熱に満ちたものだ。それは、完璧な形でファンタスティックなレースを演出してくれるだろう。このレースでは、ブリヂストンとフェラーリが過去2年連続で優勝している」
全長4.933kmのアウトドローモ・エンツォ・エ・ディノ・フェラーリ・サーキットは、滑らかな路面を持つ中速のコースで、ブリヂストンは中位から柔らかめのコンパウンドを使用することになりそうだ。4月にヨーロッパに戻ることで、ブリヂストンは想定しうる、ありとあらゆる天候に備えなくてはならない。そのために、サーキットに持ち込まれる1400本のタイヤには、6種類のドライ用のスペックと共に、ウエット用とエクストリーム・コンディション用のスペックが1種類ずつ含まれている。
菅沼寿夫テクニカル・マネージャーは、次のように語った。「3勝を挙げた後で、勢いを保つことが重要だ。ここ2、3週間は、多忙なテストプログラムをこなしてきたし、雨が降ったのは、次世代のウエットタイヤの開発に引き続き取り組むために必要な要素だったが、イモラとバルセロナのレースに向けて、有益なドライタイヤのデータも収集することができた」
「ミハエル・シューマッハーは、先週の木曜に、何と150周もの周回をこなした。そのうち100周は、午前中の走行だった。一方ジョーダンは、シルバーストン・テストのおかげで、わが社のタイヤについての基本的な理解を築きつつあり、この先のバルセロナ・ラウンドに向けて必要なタイヤを検討中だ」
「しかし私たちは、サンマリノGPに意識を集中して、いくつかのシケインとコーナーのある、あのコースの性質について念入りに検討してきた。低速コーナーから脱出するときのトラクション性能が重要になるだろう。6種類のドライタイヤが、あのスムーズな路面のコースで使用されるはずだ。常に開発を続けるというわが社のポリシーに従って導入された、新しいコンパウンドも含まれている。多くのチームは3回ストップ作戦をとると思う」
「この2、3週間は全体的に有意義だったし、自信をもってイモラに臨むつもりだ。私たちはコンペティティブなようだしね」
サンマリノGPに送り込まれるのは、新しいタイヤスペックだけではない。今回から新たに、メルセデス・アクトロス1844ユニットが、輸送に使われることになる。この新しいアクトロス・ユニットが、ブリヂストン・モータースポーツのモーターホームや、タイヤ輸送用のトレーラーを牽引して、ヨーロッパ大陸中を旅して回るのだ。