F1マレーシアGPは土曜予選に向けた午前のフリー走行3回目、4回目が行われ、両セッションともBARホンダのジェンソン・バトンがトップタイムをマークした。チームメイトの佐藤琢磨は最終的に4番手。
土曜日午前中1回目のフリー走行はいつもより1時間早い9時スタート。気温29度、路面温度34度、湿度29%のコンディションだ。
昨日の午後のフリー走行でエンジンから煙を吐いてストップ、発火もしたマクラーレンのキミ・ライコネンだが、原因は燃料ラインのトラブル。チームはエンジン交換を実施した。よってライコネンの予選ポジションは、ルールによって自動的に最高でも11位ということになった。もうひとりエンジンが原因で止まったルノーのヤルノ・トゥルーリの方はエンジン交換はしない。
そのトゥルーリが開始7分まずは1分31秒920でトップに立つ。続いて11分には、ルノーのチームメイト、フェルナンド・アロンソが1分31秒485でトゥルーリのタイムを塗り替える。その直後、ザウバーのフェリペ・マッサがピットロード出口にストップしてしまった。
しかし開始13分、ウイリアムズのラルフ・シューマッハーが早々と1分30秒台に入る。1分30秒904はアロンソより0.581秒も速い。
開始17分、ジョーダンのジョルジョ・パンターノが最終コーナーを飛び出しスピン。さらにその3分後、ミハエル・シューマッハーも最終コーナーを飛び出す。続いてその直後にはチームメイトのルーベンス・バリチェロもターン10でコースオフするが、タイムはラルフの0.5秒落ちで2位。
ラルフに続けとばかりに、開始24分にはウイリアムズのファン−パブロ・モントーヤが1分30秒121でトップに立つ。ラルフより0・783秒速い。
佐藤琢磨はなかなか好調で、開始26分に1分31秒293で3位に食い込む。さらに好調なのは琢磨のチームメイトのバトンで、セクター1、2最速で1分30秒062を記録。モントーヤより0.059秒速くトップに浮上。佐藤琢磨も開始44分には新品タイヤでアタックするが、セクター3で0.5秒ロスして最終的には7位どまり。ロスがなければ5位だった可能性が大だ。
開始38分、マクラーレンのデイビッド・クルサードがターン1進入時に右前輪がパンク。コースオフし、再走を試みるがストップしてしまう。一瞬、右バンクから白煙が上がりマーシャルが消火剤をかけるシーンも見られた。クルサードのエンジンは1万8886回転回っていた。
9時45分、土曜フリー走行1回目のチェッカー。その直後、ミハエル・シューマッハーが1コーナーでフルカウンターを当てる場面が見られた。
2回目セッションは10時15分から開始されるところだったが、最終コーナー外側の縁石付近の修理で5分延期となり、10時20分にセッション開始。気温32度、路面温度45度、湿度20%というコンディション。
まずは開始6分、ミハエル・シューマッハーが1分30秒543でトップ。フェラーリエンジンは1万8481回転を記録している。1回目トップのバトンが0.3秒後れの2位に続き、佐藤琢磨が3位へ。
その5分後、トゥルーリが1分30秒472でトップに浮上。セクター1が最速だ。そのころライコネンがピットロード出口にストップ。メカニックに押し戻されてガレージに入れられてしまう。
1回目のセッションでストップしていたマッサが開始19分でようやくコースインする。同じ頃ミハエル・シューマッハーがターン11でコースオフ。タイムは3位だ。さらにアロンソも最終コーナーをオーバーラン。
10時47分、ラルフ・シューマッハーが全区間トップタイムで初めて1分30秒を切る1分29秒690を記録。トゥルーリに0.782秒差をつけダントツのトップに浮上! そのころチームメイトのモントーヤはまったくセッティングが決まらず、11位に喘いでいる。
マクラーレン・メルセデスは、最悪の週末を続けている。開始32分にはライコネンが周回2周目のターン8でコースオフ、クルサードはまだマシンに乗れずじまいの状況だ。
セッティングに苦しんでいたモントーヤは、開始36分にセクター2最速で、ラルフに1000分の6秒差の2位に浮上。ウイリアムズBMW勢のワン・ツーを形成した。
しかし、それに対抗してきたのがBARホンダ勢。まずは佐藤琢磨がウイリアムズ勢に次ぐ3位にジャンプ! さらにバトンが1分29秒552でウイリアムズ2台を抑えトップに浮上!
そして11時05分、そのままチェッカー。バトンがトップ、佐藤琢磨4位、5位にミハエル・シューマッハー、6位トゥルーリ、7位クリスチアーノ・ダ・マッタ、8位バリチェロ、9位アロンソ、10位オリビエ・パニス。ライコネンは11位、クルサードはコースインできたもののノータイムに終わった。