ユニークな外観が注目を集めたウイリアムズBMW FW26が、今週末メルボルンのアルバートパーク・サーキットで実戦にデビューする。チームの願いは、近年のマシンデザインの“常識”から一歩踏み出したラジカルなニューマシンが、2004年シーズン最初のレースでライバルたちに衝撃を与える結果を残すことだ。
「再びレースのシーズンが始まるのを待ちきれない気分だ」と、チャンピオンの有力候補のひとり、ファン−パブロ・モントーヤは言う。「ウインターテストはハードワークなのに、特にはっきりした結果が出るわけでもない。その時点ではライバルとの相対的な力関係がわからないからだ。だけど、開幕戦まで来れば、他のみんなが冬の間に何をやってきたかが一目瞭然になり、相対的な競争力も明らかになる」
だが、モントーヤはチームに対する期待が高まりすぎるのを逆に警戒しており、ライバルになる可能性がある相手として、新たに2チームの名前をリストに付け加えている。
「強い自信を持って今シーズンを迎えようとしている。FW26は最初から高い競争力を発揮してくれると思う。ポテンシャルを引き出すまでに相当な開発を必要としたFW25とは違ってね。主なライバルたちもきわめて強力だろう。今年もフェラーリやマクラーレンと激しくやりあうことになりそうだけど、場合によってはルノーとBARも戦いに絡んでくるかもしれない」
「新ルールに関しては、まず予選が去年とはまったく違う形になる。おそらく本当の予選パフォーマンスというものは見られなくなるだろうね。最初のランは燃料の搭載量こそ少ないけど、車はレースセットアップで走らざるを得なくて、どうしてもアンダーステアが強くなってしまうから」
チームメイトのラルフ・シューマッハーも、まずは過酷な労働の続くウインターテストの時期が過ぎたことを喜んでいる。
「ようやくシーズンが始まってくれるので本当にうれしいよ。すべてを完璧に準備するには、もう何日かテストをしたいという気持ちは常にあるものだけどね。でも、今年は去年と比べてずっといい準備ができたと思う。新車のFW26をかなり早めに発表したからだ」
「メルボルンへ向かうときは毎年気持ちが昂ぶっている。テストの間も他のチームが何をしていて、どんなパフォーマンスを見せるかというおよその見当はつくけれども、アルバートパークのグリッドに並ぶまでは、自分とライバルたちの本当の競争力の比較はできないんだ。向こうの気候に慣れるために、僕は2日ほど早めにオーストラリア入りするんだけど、それにはレースウイークエンドが始まる前にあの街でリラックスして時間を過ごすのが好きだという理由もある。今年は開幕戦から優勝を争えるという自信があるよ」