ウイリアムズF1チームは、2006年からコスワースエンジンにスイッチするとの決断が、純粋に技術的なメリットに基づくものだったと述べた。コスワースはすでに新しいV8エンジンを完成させており、2万rpmを超える回転数で回っているという。
ウイリアムズと現在のエンジンパートナーであるBMWは、F1で6年間を共に戦った後、今シーズンになってその関係に亀裂が入っている。両社の間には来年もBMWがウイリアムズにエンジンを供給するという契約が存在するにもかかわらず、ウイリアムズは来季からコスワースエンジンを使う決定を下し、BMWは‘ワークス’チームとして活動するためにザウバーを買収した。
コスワースのCEO、ティム・ルーティスは、彼の視点からこの契約を次のように説明している。「V8エンジンに関する私たちの経験と実績は比類のないものだ。現在のフォーミュラワンにおいて最も純粋な精神を持ち、決して妥協を許さないチームのひとつと提携することになってたいへんうれしい」
「私たちは2004年4月から来年用のV8の開発を進めており、当初からきわめてアグレッシブな性能目標を設定してきた。私たちは1960年代以来、10年の区切りの中で必ず一度は選手権タイトルを獲得してきたコスワースの実績が、ウイリアムズのような優れたパートナーと手を結ぶことによってさらに強化されるものと信じている。2006年用のコスワースV8−CAエンジンは、短期的にも長期的にもトップレベルの成功を収めることだけを念頭において開発されている。こうした成果を得るには、コスワースの姉妹会社であるPiの協力が不可欠だった」
また、ウイリアムズのディレクター・オブ・エンジニアリング、パトリック・ヘッドは、次のように述べた。「ウイリアムズはこのパートナーシップを純粋に技術的なメリットに基づいて決めた。私たちが検討した多くの選択肢の中で、コスワースは既存の開発プログラムをかなり進化させており、このコラボレーションの潜在的可能性をさらに発展させることにも意欲的だった。きわめて建設的でモチベーションも高い両社の関係は、すでに私たちのエンジニアにも影響を及ぼしている。私たちは同じ“レース界の言葉”を話す人種であり、いずれも来年に向けて期するところがある。成功に向けてのモチベーションはこの上なく高いと言える」