ミナルディのボス、ポール・ストッダートが、ジャガー・レーシングの売却を決意したフォードはF1を見捨てることはなかったが、F1の側がフォードを見捨てたと語った。
多くの人々が、ジャガーが来シーズンから正式にフォードF1チームと名前を改めると考えていたにもかかわらず、先週、ジャガーとコスワースが売却されるというショッキングな発表が行われ、パドック中が驚いた。今週末、中国GPが初めて開催されるが、話題はもっぱらこの身売り話に集中している。
中国GPのプレスカンファレンスでは、出席したジャガーのトニー・パーネルとエディー・ジョーダンに対し、ジャガーの将来について、またジャガーの売却で現在フォードエンジンを使っているジョーダンとミナルディにとってどのような影響があるのか質問が集中した。こうした中、第三者の立場にあるルノーのボス、フラビオ・ブリアトーレは、「うんざりする」ようなプレスカンファレスだと報道陣に対して不平を漏らした。
フォードのF1撤退で、資金不足に悩むジョーダンとミナルディの来季のGP参戦については現在、不透明な状況にある。
エディー・ジョーダンはすでに、「必死になって働いて、来季のオーストラリアGPのグリッド上に並べるよう、あらゆる手段を尽くして頑張っていく」ことを公に約束しているが、ストッダートもまた、2005年のメルボルンでの開幕戦では間違いなくグリッド上にミナルディのマシンが並んでいると明言した。
「今週のフォードとジャガー・レーシングの選手権撤退のニュースはF1界を震撼させた」とストッダート。「彼らの撤退の知らせを受け、現在、独立系チーム、特にフォードの子会社であるコスワース・レーシングからエンジン供給を受けているミナルディとジョーダンの将来について、様々な憶測が飛び交い続けている」
「複数の筋から来季の参戦はないだろうという根拠のない話が出ているが、ミナルディは2005年用のエンジンを確保している。2005年のメルボルンでの開幕戦のグリッド上にミナルディがいることは間違いない」
F1撤退の発表以来、フォードはF1を見捨てたと囁かれてきた。買い手がつかないという最悪の可能性もあり、そうなればジョーダンとミナルディのF1参戦が危ぶまれることになり、F1全体に大きな影響を与えるためだ。
しかし、フォードは、ただF1に参加するだけでなくチャンピオンになることを目指してきた。そのためには莫大なコストがかかるゆえ、やむなくF1撤退を決意したのだった。フォードは最下位争いを演じ続けるより、いつかチャンピオン争いができるようになる可能性の方が高いと考えてきたのだ。
こうしたことから、ストッダートは、F1の方がジャガーを見捨てたのであって、ジャガーはF1を見捨てていなかったと考えている。
「ジャガー・レーシングならびにコスワース・レーシングのスタッフの皆さんに対し、ご多幸を心から祈念している」とストッダート。「向こう数ヶ月間で、買い手がうまく見つかることを祈っている」
「フォードもコスワースもF1を見捨てたことはなかった。しかし、F1はフォードとコスワースを見捨てたのだ」