F1はモナコから7日後に、もうひとつの伝統の地、ドイツのニュルブルクリンクへ向う。この地域では1920年代からトップクラスのモータースポーツイベントが開催されてきた。ただし、現在のサーキットは20年前にオープンしたものである。この新コースで初めてF1が開催されたのは、1984年10月7日のヨーロッパ・グランプリで、優勝者はアラン・プロスト(マクラーレンTAG‐ミシュラン)だった。その後レイアウトが若干の手直しを受け、今年は12回目のF1開催になる。
今季第7戦にあたるこのヨーロッパGPに、ミシュランは自信を持って臨む。先週のモナコでは、ヤルノ・トゥルーリ(マイルドセブン・ルノーF1チーム)とジェンソン・バトン(ラッキーストライクB・A・Rホンダ)が、記念すべきミシュランの1-2フィニッシュを達成した。また昨年のニュルブルクリンクでも、ラルフ・シューマッハ(BMWウイリアムズF1チーム)とファン‐パブロ・モントーヤ(BMWウイリアムズF1チーム)がやはり1-2フィニッシュを飾った実績がある。
ピエール・デュパスキエ(ミシュラン・モータースポーツディレクター)
「私たちはニュルブルクリンクをよく知っていますし、過去にもいい成績を挙げている。低速から高速までさまざまな種類のコーナーが組み合わされたレイアウトで、タイヤメーカーとしては1周の間にいくつもの課題に直面する。さらに天候も不確定要素となる。雨が降る可能性はつねに頭に入れておかねばならないし、この時期の路面温度は15℃から40℃までと、広い幅で考えなくてはならない。しかし、勝つために何が必要かはわかっている。昨年はマクラーレンのキミ・ライコネンがポールポジションを獲得したし、レースはウイリアムズのラルフ・シューマッハが勝った」
パスカル・バスロン(ミシュラン・F1プログラムマネージャー)
「このレースのためのタイヤを最終決定したのは2週間ほど前だ。劇的な勝利をおさめた先週日曜日のモナコから連続開催になるので、その間にテストする時間はなかった。ドライタイヤのコンパウンドは3種類用意しており、私たちのレンジの中ではソフト側にあたるものをすべて選んだ。ニュルブルクリンクの摩耗性はそれほど高くないからだ。私たちは“バランスのいいコース”と呼んでいるが、フロントとリヤの負担は1周の間に打ち消しあい、とても平均的に摩耗していく」
ラルフ・シューマッハ(BMWウイリアムズF1チーム)
「ニュルブルクリンクに帰ってくるのはとてもうれしい。母国のサーキットだし、昨年は優勝できた思い出もあるからね。ミシュランはレースで重要な役割を果たしてくれた。強力な味方だし、ウイリアムズのパッケージで重要な部分を占めている。ニュルブルクリンクはコンディションがとても変わりやすいので、適切なコンパウンドを選べるかどうかが鍵になる。ミシュランはぴったりのものを提供してくれると信頼しているよ」