パナソニック・トヨタ・レーシングは19日、今季GP2王者のティモ・グロックを来季レースドライバーとして起用すると発表した。契約は複数年で、12月4日からのヘレス合同テストに参加するという。これで来季のトヨタF1は、レースドライバーとしてヤルノ・トゥルーリ、グロック、テストドライバーとして小林可夢偉の3人のメンバーを揃えることとなった。
来季に向けて、フェルナンド・アロンソと交渉しているのではないかという噂があったトヨタだが、一転若いグロックを起用することとなった。25歳のグロックは2002年にジョーダンからジョルジョ・パンターノの代役としてスポット参戦。
1ポイントを獲得した。その後、活動をチャンプカー・ワールドシリーズに求めたが、2006年にGP2に参戦。初年度ランキング4位、今季はシリーズチャンピオンを獲得する一方、BMWザウバーのテストドライバーも務めていた。
念願のF1復帰を果たすこととなったグロックは、リリースで「再びF1レースドライバーになれるというのはとても素晴らしい気分であり、この新しいチャレンジを本当に楽しみにしている。私はここ数年、このチャンスを得るために懸命な努力を続けて来た。そして、私に信頼を寄せてくれたパナソニック・トヨタ・レーシングに感謝したい。サーキットにおいてこのチームを見て来て、チームと私が共に前進するために上手くやって行けるであろうと確信している。私は2004年以来F1でレースを戦ってはいないが、定期的にテストには参加しており、勘を取り戻すにはそれほど時間はかからないと思っている。私はこれまで努力を積み重ね、いくつかの選手権で幸運にもチャンピオンを獲得して来た。しかし、私の最終的な目標は常に、フルタイムで戦うF1レースドライバーであった。私はドライバーとして、そして人間的にも、この経験が私を強くしてくれると信じている。もちろん、F1へと復帰することと共に、GP2シリーズでのチャンピオン獲得というのは本当に名誉であり、既に、同じGP2チャンピオンを獲得したニコ・ロズベルグやルイス・ハミルトンが活躍しているのは大きな励みである。私も来シーズン、彼らと同様に強い印象を示せるようにしたい。F1への復帰が果たせた今、次の目標は、私自身と、パナソニック・トヨタ・レーシングにとって2008年を成功したシーズンとすることだ」と喜びを語っている。
また、グロックを起用することとなったTMG山科忠会長は「ティモ・グロックが2008年、我々パナソニック・トヨタ・レーシングでレースドライバーとなることが決まり、大変嬉しく思っている。ティモ・グロックは、チームのさらなる進歩と、目標達成を手助けしてくれる能力を持っていると確信している。彼は様々なカテゴリーのモータースポーツで素晴らしい経験を重ねて来ており、その評価は今年、激戦のGP2シリーズを勝ち抜いたことで更に高まった。そこで我々が見たものは、F1に向けた素晴らしい準備であった。彼はGP2でファイティングスピリットと高いレース技術を証明しており、彼はまさに我々の求めるドライバーだと判断した」とその起用の理由を述べている。