「言うまでもなく、アメリカ国籍のチームがグリッドに並ぶことで、この国でも媒体露出が増えていくに違いない。これはF1がアメリカで久々に起こした飛躍的前進と言える。これにより、多国籍企業の多くにとって重要な市場であり、潜在的視聴者数も多いアメリカへのF1の浸透が加速されると思う」
また、彼はアメリカ東海岸でのレース開催、あるいは西海岸でのイベントの復活が待ち望まれるとも語っている。この両地域には「きわめて大きな人口基盤」があるからだ。
「2〜3年前に構想があったニューヨーク近郊や、ロサンゼルス地域でもレースができれば、強力なカンフル剤として作用するだろう。だが、依然として未開発の機会があるので、F1のリーダーたちがアメリカ市場への浸透を目指して、これまで以上に協調した取り組みをしてくれることを期待する」
自身がF1への関与を深めていることもあり、ホリンガーはそうしたイベントの開催を実現するためなら、よろこんで手を貸すつもりでいるようだ。
「大規模なスポーツイベントのスポンサーになった経験はないが、どのような形であれ、私にできることであればよろこんで協力したい。ウイリアムズ・チームだけに限らずF1プログラム全体に関して、もし求められれば積極的にサポートしたいと思っている」
ホリンガーは、機会さえあれば、さらにウイリアムズの株式を買い増す可能性も否定していない。ただ、ウイリアムズのCEOマイク・オドリスコルによると、株式の52%強を保有し、さらに4%弱を従業員信託として持っているサー・フランク・ウイリアムズには「支配権を手放すつもりはまったくない」という。
他の方法を通じてホリンガーが持ち株比率を高めることは可能だ。しかし、フランクフルト証券取引所で売買されているのは全体の21%以下にすぎず、9%強はウイリアムズの共同創立者サー・パトリック・ヘッドが保有している。
(Translation:Kenji Mizugaki/オートスポーツweb )