【F1スペインGPの焦点】希少なオーバーテイクを決め、奮闘した“影のMVP”クビアト、緊張感溢れるチームメイトバトルを演じたハース勢の代償
2019年5月14日
XPB Images
なかでも際立ったのは24周目のターン4でアウトからキミ・ライコネンをオーバーテイクすることに成功したダニール・クビアト。21周目にソフトからミディアムに交換した後、ステイアウトしていたライコネンの3秒後方でコースに戻ったが、すぐにアルファロメオに追いついた。フレッシュタイヤを履いたクビアトはキミよりずっと速いペース。でも、抜けないバルセロナ、しかも相手はライコネンという強者である。
見事だったのは、ターン3〜4の短いストレートで一気に間隔を詰め、アルファロメオの真後ろにつくと即、アウト側にラインを取った判断。フレッシュタイヤのグリップを活かし、ライコネンのアウト側を並走してターン4を旋回し、前に出た。バルセロナのF1では珍しい、とても希少なオーバーテイクだった。
そこから、他のマシンのピットストップによってスタート時の9番手まで挽回したクビアトは、36周目のターン1でアウトからケビン・マグヌッセンをパス。ブレーキングに入る手前で右にラインを変更したマグヌッセンに対して、クビアトはここでも間髪入れず左にラインを取り、クリーンなオーバーテイクに成功した。
残念なことに、45周目のセーフティカー出動時にはトロロッソのピットで混乱が発生。セーフティカー表示が出た時、クビアトが走っていたのはターン15あたりで、ピットインにはギリギリのタイミングだった。それでもクビアトを呼んだところまでは正解。
トロロッソのピットガレージの位置を考えれば、タイヤを用意する時間はあった。ところがピットウォールとメカニックの間の無線で問題が発生した。もともと、バイブレーションを訴えていたアレクサンダー・アルボンのタイヤを先に交換する予定だったせいもあって、メカニックはピットに入ってきたのがアルボンだと勘違いしてしまったのだ。
クビアトとアルボンの間にはダブルストップが可能な7秒の間隔があったものの、ピットの混乱でアルボンも大きくロス。おかげで再びマグヌッセンに先行されたクビアトは、53周目の再スタートでカルロス・サインツJr.にも抜かれて10番手に後退した。
それでも挫けず、最後までサインツのマクラーレンを追いかけたクビアト。サインツJr.がロマン・グロージャンをかわすと、61周目にはクビアトもハースを攻略。フラストレーションの溜まるなか、9位でゴールして貴重な2ポイントを獲得した。中団グループの戦いをトップ争いと同じように見つめるなら、間違いなくダニール・クビアトはスペインGPで最も活躍したドライバーだ。
“トルピード”というニックネームをほとんど自虐ネタにしているクビアトだが、先天的なドライビング能力は類稀なもの。事故に巻き込まれるとその責任を負わされることも多いけれど、決してアンフェアなドライバーではない。
中国GPのターン6でマクラーレン2台と接触した際にもクビアトに「全面的な責任がある」としてドライブスルーのペナルティが科せられたが、スタート直後の接近戦のなか、事故の引き金を引いたのはむしろオーバーランの後、後ろを気にせずコースに戻ってきたランド・ノリス。チームメイトとの接触を避けようとしたサインツJr.がインに入ってきてクビアトと接触した。トロロッソはアウト側に1台分のスペースをきちんと空けており、クビアトはむしろ被害者というのが大方の意見だ。
なかでも際立ったのは24周目のターン4でアウトからキミ・ライコネンをオーバーテイクすることに成功したダニール・クビアト。21周目にソフトからミディアムに交換した後、ステイアウトしていたライコネンの3秒後方でコースに戻ったが、すぐにアルファロメオに追いついた。フレッシュタイヤを履いたクビアトはキミよりずっと速いペース。でも、抜けないバルセロナ、しかも相手はライコネンという強者である。
見事だったのは、ターン3〜4の短いストレートで一気に間隔を詰め、アルファロメオの真後ろにつくと即、アウト側にラインを取った判断。フレッシュタイヤのグリップを活かし、ライコネンのアウト側を並走してターン4を旋回し、前に出た。バルセロナのF1では珍しい、とても希少なオーバーテイクだった。
そこから、他のマシンのピットストップによってスタート時の9番手まで挽回したクビアトは、36周目のターン1でアウトからケビン・マグヌッセンをパス。ブレーキングに入る手前で右にラインを変更したマグヌッセンに対して、クビアトはここでも間髪入れず左にラインを取り、クリーンなオーバーテイクに成功した。
残念なことに、45周目のセーフティカー出動時にはトロロッソのピットで混乱が発生。セーフティカー表示が出た時、クビアトが走っていたのはターン15あたりで、ピットインにはギリギリのタイミングだった。それでもクビアトを呼んだところまでは正解。
トロロッソのピットガレージの位置を考えれば、タイヤを用意する時間はあった。ところがピットウォールとメカニックの間の無線で問題が発生した。もともと、バイブレーションを訴えていたアレクサンダー・アルボンのタイヤを先に交換する予定だったせいもあって、メカニックはピットに入ってきたのがアルボンだと勘違いしてしまったのだ。
クビアトとアルボンの間にはダブルストップが可能な7秒の間隔があったものの、ピットの混乱でアルボンも大きくロス。おかげで再びマグヌッセンに先行されたクビアトは、53周目の再スタートでカルロス・サインツJr.にも抜かれて10番手に後退した。
それでも挫けず、最後までサインツのマクラーレンを追いかけたクビアト。サインツJr.がロマン・グロージャンをかわすと、61周目にはクビアトもハースを攻略。フラストレーションの溜まるなか、9位でゴールして貴重な2ポイントを獲得した。中団グループの戦いをトップ争いと同じように見つめるなら、間違いなくダニール・クビアトはスペインGPで最も活躍したドライバーだ。
“トルピード”というニックネームをほとんど自虐ネタにしているクビアトだが、先天的なドライビング能力は類稀なもの。事故に巻き込まれるとその責任を負わされることも多いけれど、決してアンフェアなドライバーではない。
中国GPのターン6でマクラーレン2台と接触した際にもクビアトに「全面的な責任がある」としてドライブスルーのペナルティが科せられたが、スタート直後の接近戦のなか、事故の引き金を引いたのはむしろオーバーランの後、後ろを気にせずコースに戻ってきたランド・ノリス。チームメイトとの接触を避けようとしたサインツJr.がインに入ってきてクビアトと接触した。トロロッソはアウト側に1台分のスペースをきちんと空けており、クビアトはむしろ被害者というのが大方の意見だ。
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※日本GP終了時点
1位 | マックス・フェルスタッペン | 77 |
2位 | セルジオ・ペレス | 64 |
3位 | シャルル・ルクレール | 59 |
4位 | カルロス・サインツ | 55 |
5位 | ランド・ノリス | 37 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 32 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 24 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 24 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 10 |
10位 | ランス・ストロール | 9 |
※日本GP終了時点
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 141 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 120 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 69 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 34 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 33 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 7 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 4 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |
2024年F1カレンダー
第5戦 | 中国GP | 4/21 |
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