レッドブル・ホンダ誕生への気になるハードル(2):ダブルワークス体制における懸念
2018年5月20日
アストンマーチンとタグ・ホイヤーというスポンサーがレッドブル・ホンダ誕生に向けて大きな障壁となっていないのなら、現時点で何が両者の交渉の中で最大のテーマとなっているのだろうか。
ホンダを代表して、レッドブルのレーシングアドバイザーを務めるヘルムート・マルコと交渉している山本雅史モータースポーツ部長は次のように語る。
「マルコさんと話をしていて、すごいなと思うのは、“勝つためにどうするか”という議論しかしないこと。基本的にはわれわれも勝ちを目指していますが、まだ実力が伴っていません。いまでも、4番目ですからね。(創業者の本田)宗一郎さんがいたら『ふざけるな』って、怒鳴られていますよ」
「マルコさんも同じで、ごく当たり前に勝ちにこだわる。そういう意味では、(レッドブルとの交渉は)すごくピュアです。だから、マルコさんと私との関係もいいです。マルコさんの心はかなりホンダに傾いていると思いますが、まだクリスチャン(・ホーナー)と話をしていないので、(レッドブルの総意がどうなのかは)わかりません。最終的に判断するのはオーナーの(ディートリヒ・)マテシッツさんでしょう」
マルコ博士は、昨年の日本GP直前に、レッドブルのメンバー3人とともに栃木県の研究所にあるHRDさくらを見学している。ホンダがどのような規模で開発しているのかはわかっているはず。何を確認したがっているのだろうか。
「いくらデータや情報があっても、やはり、レースというのは最終的にはサーキットの実際のパフォーマンスを見ないとわからないからでしょう」(山本)
もうひとつ気になることは、ホンダがレッドブルとパートナーを組むことになった場合、現在のトロロッソとの関係はどうなるのかだ。というのも、ホンダはトロロッソとワークス体制でサポートしているからだ。
2チームともに無償でPUを供給するというダブルワークス体制という契約は政治的にはありうるが、車体に合わせてPUを設計するという技術的なワークス体制においては、ダブルワークス体制というのは物理的にあり得ないのである。
「この間トストさんとも話し合っているが、トロロッソとは(ワークスという)契約があるし、それは変えるつもりはない。幸いトロロッソはレッドブルと姉妹関係にある。そう(レッドブルと契約を結ぶようなことに)なったらそうなったなりの契約のやり方をいま考えています。レッドブル・ファミリーとワークス契約を結ぶという案はないことはない。そういうことも含めてマルコさんと話を進めています」(山本)
アゼルバイジャンGPでスタートしたホンダとレッドブルの交渉は、スペインGPでセカンドステージに突入。次はいつか?
「私はモナコGPへは行かないので、次はカナダGPです」と山本部長は語る。ルノーのシリル・アビデブール(マネジングディレクター)は、「われわれはカナダGPにアップグレードしたPUを投入する予定」だと語っている。果たして、ホンダの次のアップデートはいつか? はやる我々を前に山本は落ち着いて、こう語った。
「私は慌てていない。ホンダとしても、いい条件で契約したいですから」
3週間後を楽しみにしたい。
(Masahiro Owari)
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1位 | マックス・フェルスタッペン | 110 |
2位 | セルジオ・ペレス | 85 |
3位 | シャルル・ルクレール | 76 |
4位 | カルロス・サインツ | 69 |
5位 | ランド・ノリス | 58 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 38 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 33 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 31 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 19 |
10位 | ランス・ストロール | 9 |
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 195 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 151 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 96 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 52 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 40 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 7 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 5 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
第5戦 | 中国GP | 4/21 |
第6戦 | マイアミGP | 5/5 |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5/19 |
第8戦 | モナコGP | 5/26 |
第9戦 | カナダGP | 6/9 |