ニコ・ロズベルグは、来季からフェルナンド・アロンソに代わってマクラーレンに乗るとウワサされるのは光栄だが、当面はウイリアムズでトップチームと対等に戦えるようになることに全力を尽くすつもりだと述べた。
「プレスの人々が、僕をいろんなチームの来年の候補者として取り上げてくれるのはとても嬉しいよ。だけど、フランク(・ウイリアムズ)が僕をどこかのチームへ売ろうとは考えもしないという事実は、チームが財政的に健全である証拠だと思うし、これからも僕に投資をして、僕と一緒に目標に向かって進むことを望んでくれているのだと思う」とロズベルグ。
「僕の2008年の契約はもう正式に発表されている。そして、2009年についてもすでにフランクと話をして、基本的な条件では合意しているからね」
ロズベルグのマクラーレン移籍が、まるで当然のことのようにウワサされる一方で、少なくとも現時点では、ルイス・ハミルトンと直接比較されるポジションに就くのは賢明ではないとの意見もしばしば聞かれる。
「僕だって勝つために、そして成功を収めるためにレースをしているのだから、すぐにでも優勝できるチームで走れるというのはもちろん魅力的なことだ。だけど、僕は我慢をすることも重要だと思うし、ドライバーの自分のキャリアに対するアプローチは、十分に計算されたものでなければならないんだ。それに僕はウイリアムズでも近い将来、成功を収めることができると信じている。それがこれからの2、3年間に関して、僕が最も望んでいるキャリアの道程なんだ」
アレックス・ブルツが現役を引退した後、ジャンカルロ・フィジケラやトニオ・リウッツィといった選択肢も考えられた中で、あえてルーキーの中嶋一貴を起用した結果、ウイリアムズは比較的経験の浅いラインナップで来季を迎えることになる。しかし、すでにF1で2年間のレース経験を有するロズベルグも、2008年にナンバーワンとして優先的な扱いを受けられるわけではないことは承知している。
「形式上は、そういう扱いにはならない」と、来季は事実上のナンバーワンとなるのかとの質問に対し、ロズベルグは答える。
「ウイリアムズはこれまでずっとドライバーに対等なチャンスを与えてきたし、これからもそうだ。コース上でどちらかのドライバーが優先されるということはありえない。ただ、現実的な話としては、僕の方が経験のあるドライバーだから、たとえば新しいパーツを最初に試すとか、そういうことはあると思うよ。ある意味では、僕がリードドライバーとしての責任を負うことになる」
「一貴は来季からルーキーとしてチームに加わる。そうなると、ドライバーとしてクルマの開発をリードする仕事は、僕が受け持つことになるだろう。まあ、確かに僕だってまだそれほど経験があるわけじゃないけど、僕の技術的な知識と理解は自分の長所のひとつだと思っている。とはいえ、結局のところF1はチームゲームだ。僕は自分の役割をしっかり果たさなければならないし、ファクトリーも進歩するためにプッシュしなければならない。クルマの速さは空力などの面に大きく依存するからね。けれども、僕らはこの12カ月間で(コンストラクターズ選手権の)8位から4位まで順位を上げることができた。チームが正しい方向へ進んでいるのは絶対に間違いないよ」