ブリヂストンは、2009年のスリックタイヤ復活に向けた調整のために、ヘレステストにスリックタイヤを持ち込み、素晴らしいフィードバックを得たという。また、来年も何度かテストを行うことを期待していると語っている。
FIA F1世界選手権は1997年いっぱいでスリックタイヤの使用を禁止し、速度を落とすため、ひいては安全性を向上させるため、グルーブドタイヤを導入した。
しかし先週、すべてのチームがヘレスでのテストで、2009年用のスリックタイヤのプロトタイプを試した。4日間のテスト期間において各チームにスリックタイヤが3セット支給されたている。なお、スリックタイヤを使用した走行は、2007年のテスト協定の規定には含まれない。
金曜日のテスト終了後、ブリヂストンの浜島裕英モータースポーツタイヤ開発本部長は、テストにおいて貴重なデータが収集できたと語った。
「これらがまだ開発用タイヤであることと、また、2007年型シャシーはスリックでの走行を想定して設計されたものではないことを忘れてはならない」と彼は語る。
「だが、得られた情報は、我々にとってもチームにとっても、将来的な開発の助けになるだろう。私たちと親しいミハエル・シューマッハを含め、全ドライバーから素晴らしいフィードバックが得られた」
「まず、得られた情報を検討する予定だ。この情報のおかげで、タイヤの開発作業を続けていけるだろう。各チームもマシン開発の助けとなる初期情報が手に入ったはずだ。今後のテストに関しては、F1テスト委員会からの要請に従う。来年もさらに何回かテストを行うことを期待している」
スリックタイヤはラップタイムにおいて大きな違いを生むかと尋ねられると、浜島本部長は次のように語った。
「2007年のダウンフォースレベルで走ったとき、2秒以上速くなったマシンがあった。2009年のダウンフォースレベルだと、若干タイムが落ちるが、それがレギュレーションの狙いだ」
「我々は、現在のマシンとサスペンションがスリックタイヤ向けに設計されていないことを思い出す必要がある。これから2009年に向けて、マシンとブリヂストンタイヤの双方でたくさんの開発が行われていくだろう」
“プロトタイプ”のスリックタイヤが1997年のものとどの程度似ているかという問いに対し、浜島本部長はかなり異なっていると述べた。
「最後にスリックタイヤを走らせて以来、F1における活動やGP2、チャンプカー、インディカーといったスリックタイヤを使用する他のモータースポーツを通して多くのことを学んだ。こうした知識が今回のタイヤ開発に組み込まれている。したがって、1997年のタイヤとは異なる点がかなりある」
ブリヂストンはこの後、1月14日から16日に再びヘレスで行われる次のF1合同テストの用意を始める。このテストではミディアムコンパウンドのドライ用グルーブドタイヤが準備される予定だ。