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【イギリスGPの焦点】スタートからゴールまで煌めきに満ちたグランプリ。ドライバーが自分たちで“戦う基準”を示した大きな意義

2019年7月17日

 24周目のリスタート直後にもバトルは続いた。ヴェイルの飛び込みでレッドブルの右に並んだフェラーリは、クラブのひとつ目でイン側のライン。レッドブルにスペースを残さず、アウトに押しやるようにコーナーを抜けて行く。しかしフェルスタッペンも怯まず、コースの外からポジションを取り戻した。

 ふたりのバトルが本当に決着したのは、セーフティカーでステイアウトしていたガスリーがチームメイトに4番手を譲り、ルクレールを抑える“壁”の役割を果たしてからだった。36周目のターン3でガスリーをかわした時、ルクレールとフェルスタッペンの間にはすでに4秒以上の差がついていた。

 しかし皮肉なことに、チームメイトの働きでアドバンテージを得たフェルスタッペンは、37周目のストウでベッテルから3番手のポジションを奪った直後、ヴェイルのブレーキングでベッテルに追突されてコースアウト。その横をルクレールとガスリーが通過していった。

XPB Images

 ペナルティ対象となったベッテルの追突は余計だったけれど、トップチームの後方でも見応えのある接戦がいたるところで繰り広げられたイギリスGP。レース後の会見では“抜けない”F1を生み出す要因ともなっているグランプリサーキットが話題になった。

「どのサーキットでオーバーテイクが可能か、あるいは可能でないのか、僕らは誰よりも熟知している。でもコースについてドライバーのアドバイスが求められることは一度もない。今後のために選ばれたサーキットにも現行のカレンダーにも、素晴らしいレースが期待できないものがある」とハミルトンが指摘する。

「レースを開催するというためだけにそうした国に行くのか、あるいは今回のように最高のレースを望むのか、どちらなのかっていう問題だよ」

 ハミルトンの言葉をフォローしながら、ボッタスはさらにはっきりと「多くのサーキットはそこでレースをするのが良いかどうかという点に着目せず、純粋に政治的・資金的な理由で選ばれている」と言った。2021年に向かって、マシン規定に関してもサーキットに関してもGPDAの意見がもっと反映されるべきだと、ふたりは口を揃える。

 ドライバーのスキルを駆使した自由な戦いが実現してこそ、F1の将来があるのだとハミルトンは力説した。伝統のコースで接戦を繰り広げ、ドライバーの野性、あるいは存在理由をあらためて確認したように──。

 高速コーナーを特性とするシルバーストンは、コース幅の広さが様々な走行ラインを可能にする。しかしそれだけではない。作戦の幅が広く、1ストップと2ストップが混在したこともレースを活気づけた理由のひとつ。新舗装と今年のマシン/タイヤの相性も関係したであろうし、トップグループがセーブモードに入らず、中団グループでもいたるところでバトルが繰り広げられた結果、最後まで走行ラインが細い1本に絞られなかったこともレース全般に影響を与えた。

 大切なのは“レースすること”を満喫するドライバーの気持ちが、十分なほどファンに伝わってきたこと。「F1に来てまだ1年半だけど、今日のレースがこれまでで一番楽しかった」と、攻撃性を開放したルクレールが言う。

「マックスとの戦いはすごくクールだった。カート時代からこうして戦ってきたんだから、F1でも続けない理由はないよね」

 ここ数戦の騒動の後、オーストリアGPの一件を機に、ドライバーが自分たちで“戦う基準”を示したこともイギリスGPの大切なポイント。F1にとって転機となるグランプリだったかもしれない。

XPB Images

(Masako Imamiya)





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