【レースの焦点】ライコネンが完璧に遂行した4つのミッション。自分らしさを貫き、ファンも待望の優勝を飾る/F1第18戦アメリカGP
2018年10月24日
タイヤにブリスターを抱えたハミルトンは37周目に2セット目のソフトに交換。12秒後方から、首位ライコネンや2番手マックス・フェルスタッペンより1秒速いラップタイムでどんどん追い上げた。最後の10周は3秒以内にトップ3台が並ぶ接近戦。
51周目にハミルトンがフェルスタッペンのDRS圏内に入ると、52周目にはフェルスタッペンがライコネンのDRS圏内に。キミが意図して行ったことなら、あまりに鮮やかな戦略だった──。自らの後方でレッドブルがDRSを使うと、ハミルトンのDRSはアドバンテージを失う。レッドブルが心強い“盾”となってくれるのだ。
2番手争いの攻防は、54周目のターン12でフェルスタッペンが小さなミスを犯したところから、ふたりが真横に並び、ラインを交錯させ、最後はハミルトンがターン18でオーバーランしたところで決着がついた。この時点で、ライコネンの優勝も確実になった。
チェッカーフラッグを受けたキミが、コクピットの中、両手で何度もガッツポーズを繰り返す。パルクフェルメでは大きく両手を広げ、サムアップしてみせた。ライコネンらしい勝利の美しさは、正確なタイムを揃えた56周のラップタイム表にも表れている。
キミとフェルナンド・アロンソが今より若かった頃──今だってふたりは十分、若い──バーニー・エクレストンが「ファンに対するサービスが足りない」とふたりを批判した時、ふたりは口を揃えて「コース上で素晴らしいレースを見せることこそドライバーの最大の務め。僕らはそのための努力を続けている」と反論した。性別・年齢を問わず人気を集めた今日のふたりを、エクレストンはどう見ているだろう?
「最後の5周で“大丈夫”だと感じた。僕のタイヤにはまだ余力があったから。勝てたのはもちろんうれしい。僕らは全員が勝ちたいと願っているからね。僕にとっては、間違った見方をしていた人たちに力を証明する最高の1日になった。でも、だからといって何かが変化するわけじゃない。僕はもともとハッピーだし、人生はこれからも同じように続いていく」
“間違った見方”はフェラーリのことじゃない。ザウバーで走ることを本当に楽しみにしていると、つけ加えた。
ファンはみんな信じていた。誰もが、彼がライコネンらしくあり続けることを望んでいた。キミはやっぱり最高──F1ファンであったおかげでこんな人格に出会えたことを、心から幸福に思う。
(Masako Imamiya)
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※中国GP終了時点
1位 | マックス・フェルスタッペン | 110 |
2位 | セルジオ・ペレス | 85 |
3位 | シャルル・ルクレール | 76 |
4位 | カルロス・サインツ | 69 |
5位 | ランド・ノリス | 58 |
6位 | オスカー・ピアストリ | 38 |
7位 | ジョージ・ラッセル | 33 |
8位 | フェルナンド・アロンソ | 31 |
9位 | ルイス・ハミルトン | 19 |
10位 | ランス・ストロール | 9 |
※中国GP終了時点
1位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 195 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 151 |
3位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 96 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 52 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 40 |
6位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 7 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 5 |
8位 | ウイリアムズ・レーシング | 0 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 0 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 0 |
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