フェラーリはマクラーレンに対して優勢を見せており、ライコネンはポールを逃したにもかかわらず、フランスとイギリスで勝利を手にした。一方のマッサは、両グランプリで自らのタイトル争いでの可能性を高める機会を逃してしまったことを承知している。
トップに立っていたマニ-クールでは、最後のピットストップでチームメイトに抜かれ、シルバーストンでは、グリッド上でストールしたために追い上げのレースとなり、結局5位でゴールを迎えた。
自分のせいではないトラブルからの追い上げは、シルバーストンの観衆やチームクルーから喝采を受けた。しかし、同じく2列目スタートだったフェルナンド・アロンソのように、マッサも優勝争いができていたはずなのだ。
「シルバーストンは僕のベストドライブに入ると言う人もいるし、実際その通りかもしれないけれど――それはある意味そうだったというだけだ」とフェラーリの公式ウェブサイト上で語るマッサ。
「僕のベストドライブのひとつだったかもしれないし、観衆を楽しませたかもしれない。だが現時点では、あれが自分のベストレースだとは思えないんだ」
「グランドスタンドの人たちが僕に手を振っているのが見えたし、レース後には多くの人たちが僕を祝福してくれた。チームさえ、あれが僕のベストリザルトだったかのように僕を迎えてくれたし、彼らのリアクションは、僕が優勝した以上に凄いものだった。でも内心は、ポイントを失ったフラストレーションでいっぱいだったよ」
「正直言って、ドライブするのは楽しかったし、後方からのスタートでも非常にいいレースができた。とてもポジティブなリザルトだけど、とてもネガティブなことでもある。スタートであんなことが起きたんだからね。いろんな意味で、楽しむことができなかった。ファンタスティックなパフォーマンスを見せたとしても、レースを走りきった時に満足はしなかった。優勝争いができていたはずだからね」
「タイトル争いの状況を見て、今年はどれだけ競争が激しいかを考えれば、こんなに多くのポイントを取りこぼしてしまったんだから満足できるはずがないよ」
ポイント争いでは、チームメイトのライコネンに次ぐ4位に転落してしまったマッサだが、今週末のヨーロッパGPでは、不運を吹き飛ばせると確信している。
「(ニュルブルクリンクで)F2007は、再び大いに競争力を発揮するだろう」とマッサ。
「去年、僕はあそこで3位に入り、それが僕のF1初表彰台になった。技術的な面からすると、スパのテストはとてもうまくいったし、マシンは変更にとても良く反応してくれているようだ。今回は僕らが表彰台に復帰できることを期待している――もっといいポジションでね。僕には去年のいい思い出があるけれど、僕らは常にもっと上を望んでいるんだ!」