ブリヂストンは、今週末ニュルブルクリンクで開催されるヨーロッパGPにソフトコンパウンドのポテンザタイヤを持ち込むことは一種の賭けになると述べた。これまで、同地では夏のコンディション下でのテストが行われなかったためだ。
西ヨーロッパの大部分では、猛暑の夏に見舞われることはほとんどない。しかしブリヂストンは、気温が高くなる可能性を持つニュルブルクリンクでのタイヤ選択が困難を極めることを心配しているという。近年、同地でのイベントは春の涼しいコンディション下で行われてきたからだ。
もっとも、ブリヂストンのトラック・エンジニアリング・オペレーションズのボス、キース・バン・デ・グリントは、ニュルブルクリンクでの週末が“チャレンジ”になると述べる一方で、いずれのコンパウンドもかなりの温度範囲で機能するはずだと自信を覗かせる。
「ソフトコンパウンドのポテンザを持ち込むことは、大きなチャレンジなんだ。このサーキットでは春に行われるイベントの経験しかないからね」とバン・デ・グリント。
「私たちの予想が正しいかどうか見ていく必要がある。ニュルブルクリンクで最後にテストしたときのことは思い出せない。そのため、私たちの選択の是非を確認できる機会はレース当日ということになる。つまり、各チームともデータが不足している状態だ。アイフェルでは予測し難い天気になる可能性もあるため、私たちにとってはちょっとした未知の領域となる。これまで正しい選択をしてきたと自負しているが、ニュルブルクリンクについては分からないよ!」
現在、ニュルブルクリンクはホッケンハイムと隔年でF1を開催している。トラックには超高速コーナー、中速コーナー、低速コーナーが混在するため、セットアップに関しては妥協が求められる。また、両コンパウンド(今回はソフトとミディアム)を使用しなければならないため、プラクティスでは頭を悩ませることになるだろう。
「フラットなシルバーストンが終わり、今度はアイフェル地域の特徴的な起伏を持つニュルブルクリンクだ」とバン・デ・グリントは続ける。
「サーキットのことは良く知っているが、タイヤグリップ、トラクション、そしてブレーキング・パフォーマンスのどれもが非常に重要になる。セクター1とセクター3では特にね」
「今シーズン初め、BMWザウバーがニュルブルクリンクで作業を行った。ニック・ハイドフェルドが20.8kmの北コースをドライブしてデータを収集したが、今度のレースではそれほど使い物にならない。おかげで、ハイドフェルドがグランプリで1周に8分も掛かったらどうしようかと心配しているよ!」