佐藤琢磨は、次の第10戦ニュルブルクリンクで、スーパーアグリがもう少しスピードを上げられることを願っている。
琢磨はシルバーストンでは、スーパーアグリSA07・ホンダを14位でゴールさせるのがやっとで、自分でも困難な週末だったと述べていた。今度は、その雪辱を期し、トップ8に入って、また1点か2点を獲得できればと願っている。
「楽しみにしているよ」と、ニュルブルクリンクでのヨーロッパGPについて聞かれた琢磨は答えた。
「あそこはとてもチャレンジングなサーキットだし、僕らがもうちょっとスピードを上げられればと思う」
琢磨は、先週スパでテストを行い、2日目に走行した同僚のアンソニー・デイビッドソンの後を引き継いで、最終日に走行した。琢磨は合計で99周を走行し、ベストタイムは1分48秒610だった。これは、非公式タイム計測で9番手だったが、6番手タイムだったウィリアムズ・トヨタのアレクサンダー・ブルツとはコンマ2秒以内の差だった。
「とても興味深い日だったよ」と琢磨は振り返った。
「天候は一定していなかった。今朝(木曜日)は湿っているだけで、後で軽いにわか雨があった。なので、僕らはドライでの走行をたくさんこなすことができた。僕らは主に、タイヤの作業と空力の分析に集中したけれど、新しい電気システムの評価テストもした。やることはたくさんあって、大量のデータを収集できたよ」
ベルギーGPは、2005年以来2年ぶりにF1カレンダーに復帰し、9月に開催される。そのサーキットに施された変更に関して、琢磨は、ピットコンプレックスとバスストップのセクションへの変更は確かに意味があったと感じている。ただし、ひとつだけ留保しているのが、ピットレーン入口のことだ。
「サーキットの改修は、とてもよくできている。新しい路面によって、少しグリップが上がったし、バスストップ・シケインの手前で追い越しをするチャンスも増えた。改修されたセクションの手前で、スローダウンして、ハードブレーキングする必要が出てきたからね」と彼は説明した。
「変更はみなかなり安全なようだ。ただし、ピットレーン入口はかなり狭い。グランプリの前にこのことに対処すれば、いいレースができると思うよ」
一方、スーパーアグリのスポーティングディレクター、グラハム・テイラーは、3日間のスパテストが、9月16日のベルギーでのイベントに向けて、間違いなく助けになると感じている。
「9月にここでレースをするのに先立ち、この偉大なサーキットでいいテストができた。スーパーアグリF1チームのドライバーは3人とも、かなりの距離を走行できたが、いつも通りスパの天候に計画を邪魔された」とテイラーは述べた。
「シルバーストンのレースの前にはテストをしなかったので、スーパーアグリF1チームが、ベルギーGPに向けて基本的な準備を行うことはどうしても必要だった」
琢磨とスーパーアグリは、今度はドイツに意識を転じ、ニュルブルクリンクでのヨーロッパGPに臨むことになる。