ミシュランの意見によると、鈴鹿は“1年のうちで、最も素晴らしくチャレンジングなレースのひとつ”だという。今週末の日本GPに臨むミシュランは、ブリヂストンの地元でのF1初勝利を挙げようと熱意を燃やしている。
日本GPを前に、ミシュランのモータースポーツ・ディレクター、ピエール・デュパスキエが語ったところによれば、去年の活躍をさらに発展させる自信がある、とのことだ。去年は、ファン−パブロ・モントーヤが楽にリードを保っていたが、テクニカルトラブルでリタイアしてしまった。
中国初の世界選手権レースの成功という記念すべき時に続いて、今度は20回目の日本GPの開催となる。鈴鹿で行われるGPとしては18回目だ。ミシュランは、2輪では日本GPで数多くの成功を収めているが、4輪ではまだ未勝利に終わっている。
ミシュランは、最初の2回の日本GP(1976年〜77年に富士スピードウェイで行われた)には参加していない。また、1987年に日本GPがカレンダーに復帰し、鈴鹿で開催されるようになった当時は、F1に参戦していなかった。結果として、ミシュランは、2001年まではF1日本GPに出走することはなかった。その後、ミシュランは、GPスケジュールの中でも有数の難コースを手なずける能力があることを、証明してきている。
デュパスキエは次のように語った。「これは年間でも特に素晴らしく、チャレンジングなレースのひとつだ。空力の技術者にとっては本当に頭痛の種だよ。高速コーナーに低速コーナー、長いストレートまで考えて、最適な妥協となるセットアップを編み出さなくてはならないからね」「カレンダーの最後の方にあたるから、各チームにとっても、サプライヤーにとっても、評価のいい機会になる。長く、厳しい1年間で学んできた教訓を活かして、F1の序列の中でどのあたりに位置するのかを測ることができるんだ」
「雰囲気は素晴らしいはずだよ。強力な日本のマニュファクチャラーがふたつあり、上位を走る日本人ドライバーがひとりいるんだから。たまたま、皆ミシュランタイヤを使用しているがね――そして間違いなく、ミシュランは、去年見せた活躍をさらに発展させられるはずだ。去年は、レースを手中に収めたかに思われていたが、外的な要因に邪魔されてしまったんだ」
ミシュランのF1プログラム・マネージャーであるパスカル・バセロンは、こう付け加えた。「シーズンの終盤には、素晴らしい開催地が続く。スパ、モンツァ、上海、鈴鹿、インテルラゴス、とね。ここはドライバーにとって、まったくの天国だし、私たちにとっても重要なチャレンジだよ。日本で鍵となる要因は、連続する高速コーナーだ。ほんのわずかなミスでも、かなりのタイムロスを招くんだ」
「鈴鹿のポイントとなる要素のひとつが、8の字型のレイアウトだね。それによって、左右のコーナーが同じように混じり合っている。おかげで、タイヤにかかる負荷にバランスがとれるため、サーキットの高速な性格から予想されるほど、摩耗率は高くない」
「このコースは、週末が進むにつれて、コンディションがかなりよくなっていく傾向がある。おかげで、日曜の午後までには、タイヤにかかる負担は少なくなってくる。私たちは鈴鹿に向けて、2種類のドライ用スペックを、中位から硬めの範囲から選んで用意しているよ」