ジャガー・レーシング・チームは、今週末、彼らにとって最後から2戦目にあたる日本GPへ向かう。チームは、来季に向け買い手を求めている状態だけに、好結果をもって今シーズンを締めくくろうと決意を固めている。
先週行われたヘレスでのF1合同テストは、中国GPと日本GPの間にマシンを走らせる唯一のチャンスだったが、このテストにジャガーは参加しなかった。といっても、チームは気を抜いている訳ではない。代わりに、マーク・ウエーバー、クリスチャン・クリエン、ビヨルン・ウィルドハイムの3人は、オーストラリアでトレーニングを行い、チームはウエーバーのために、R5の改良型“Bスペック”の準備を進めたのだ。
オーストラリアで3人のドライバーは休暇を取っていたわけではなく、それぞれがレースとレースの間に日本のコンディションに順応すべく準備を整えた。また、ヨーロッパに戻った他のドライバーが苦しむことになる時差ボケにも対処している。
「いつも日本へ来ると、1年があっという間だったと思うんだけど、今回は今季ラストレースではないというのも、妙な感じだね」とウエーバー。「1週間前に中国で走った後、僕は地元オーストラリアでトレーニングをしてきた。残り2戦、チームのために何とかポイントを獲得したい。ここ数週間、英ミルトンキーンズのファクトリーで働いているスタッフと、コスワースに出向いて働いているメンバーが本当に力を出し合ってくれている。だから、シーズンが終わるまでにポイントを獲得して、彼らの努力に報いたいよ」
鈴鹿は、F1カレンダーの中でも最もタフなサーキットとして評されており、高速、低速のさまざまな種類のコーナーが配された8の字型のレイアウトをしている。ウエーバーは鈴鹿へのチャレンジを楽しみにしている。彼は、「自分の実力を試されるサーキットだからね」と語り、経験の浅いふたりのチームメイトが直面する問題を十分に意識しているようだ。
クリスチャン・クリエンにとって、鈴鹿は初めてのサーキットだ。また、ジャガーを買収したチームが彼を雇わなければ、しばらくの間は彼にとってこれが最後の鈴鹿でのレースとなってしまうかもしれない。
「F1に来て最初の年があと残り2戦だなんて、信じがたいよ」とオーストリア出身のクリエン。「ジャガーとは素晴らしい時間を過ごしてきたし、マシンをドライブするのが本当に楽しい。だから、あと2戦、チームにポイントをもたらすのが目標だよ。良い雰囲気でシーズンを終えたい」
「鈴鹿は初めて走るサーキットなので、自分のエンジニアたちとレイアウトを見て、マシンの方向性を考えているんだ。彼らやマークから話を聞いて、鈴鹿はマシンにもドライバーにもタフなサーキットだって分かったよ。オーバーテイクも容易ではないから、予選で良いポジションを獲得して、正しい戦略を練りたいところだね。金曜日は、僕にとって大切な1日になる。やるべきことはたくさんあるけど、チームはちゃんと準備ができていると、僕は分かっているよ」