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【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第1回後編】ファクトリー閉鎖も仕方なし。人出不足に悩むハースに利点も

2020年3月31日

 2020年シーズンで5年目を迎えたハースF1チームと小松礼雄エンジニリングディレクター。イギリスに戻った後は早々にファクトリーのシャットダウンが決定したが、ハースにとってシャットダウンすべき時期というのはひとつの大きな問題でもある。自己隔離中の小松エンジニアが、イギリスやチームの事情をお届けします。


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 前編ではオーストラリアでの状況を振り返りましたが、今回は僕やチームの現状をお伝えしようと思います。


 オーストラリアGPが中止になったあと、特にチーム内の混乱というものはありませんでした。ただ新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにどんどん国境も封鎖され始め、飛行機の便にも影響が出ていて、いろいろな国で出入国制限がされていたので、とにかく早い段階でイギリスに戻れるように手配してもらいました。


 僕はエンジニアリンググループのみんなと日曜日の朝6時の飛行機に乗って、その日の夜にイギリスに戻りました。帰国後、移動していたメンバーは自己隔離をしなければならないので、14日間は在宅勤務です。メカニックは基本的に家で仕事をすることがないのでオフですが、僕やエンジニアリングのスタッフは家で仕事をしています。


 今のところ僕には何の症状もありませんが、自己隔離ということで、家にいても子供の学校の送り迎えもできないし、手も繋げません。家の中でも2mの距離を保つようにというガイドラインがあるので、食卓でもひとり離れたところで食べたりしていました。


 そして、3月19日からはファクトリーがシャットダウンとなりました。これも当初の予定から日程が変わっているのですが、前倒しになると初めて聞いたのが、オーストラリアからの帰りにドバイで飛行機を乗り換える時でした。ギュンター(シュタイナー/チーム代表)から「3月16日からシャットダウンになるかもしれない」と聞いたのですが、3月15日の日曜日に移動しているのにそれはないでしょう、と思って驚きました。


 シャットダウンの期間や時期は規則で決まっているのですが、これを書き変えないといけないので投票を行わなければならず、結局ウチは19日から3週間シャットダウンをすることになりました。このシャットダウンは4月8日までの予定で、もし状況が良くなって働ける状況になれば4月9日から全員会社に戻って働く予定です。でも今の状況が続くと考えられるので、在宅勤務か、最悪の場合はシャットダウンが延長されることもありえます。


 そもそもウチはフェラーリと一部施設を共有しているので、シャットダウンの時期をフェラーリと同じにしないと仕事にならないんです。でも今のイタリアは、ウイルス感染の面ではイギリスよりも2週間くらい先を行っているような状況です。イタリアではファクトリーを閉鎖せざるを得ないのですが、イギリスはこの時点(3月18日)でイタリアほど深刻な状況ではありません。


 新型コロナウイルスのことだけを考えると、僕らが本当にシャットダウンすべき時というのはあと1週間先(25日辺り)かと思いましたが、イタリアに合わせなければならないのでどうしようもありません。


 本当にシャットダウンが4月8日で終わるとも思えないのですが、仮に4月8日にシャットダウンが終わると考えて、次のレースがカナダGPだとすると、8週間の時間があります。これだけの時間があるというのは、実はハースにとって良い面もあります(もちろん興行的にはよくないのですが)。

■レースのない時期を有効活用

 昨年からこのコラムでもお話ししている通り、僕らは今までレースに行きながら、すごく少ない人数で物事のプロセスを作ったり、シミュレーターやマシン開発などをしていました。


 大きいチームはレース部門と開発部門が完全に別れるだけの人数もお金もありますが、ウチはファクトリーからレースをサポートしてくれている人たちがシミュレーターやソフトウェアの開発などもやっているのですごく大変です。そういう状況なので、今後はレースのない8週間をどれだけ活かせるかという話になってきます。


 イギリスに戻ってからも、ファクトリーの人たちとプランを立てていました。4月9日から働けるのであれば、次の週からすぐに風洞も使いますし、そこで出てきた開発部品は6月末のフランスGPで投入できるし、物によってはカナダGPで使えるかもしれません。


 ほかのスポーツでも延期や中止など様々な措置をとっていて、オリンピックやサッカーのユーロ2020が1年延期になりました。6月にF1を始められるとは思えないですが、エンジニアリング面を考えたら、2カ月レースがないというのはウチの様なチームにとってはプラス面もあるので、前向きにとらえて時間を有効に使わないといけないですね。

2020年F1第2回バルセロナテスト3日目 ロマン・グロージャン(ハース)
ハースF1チームの2020年型マシン『VF-20』


 余談ですが、イタリアのダラーラ社近くのパルマという街は空気が汚いことで有名なのですが、移動がかなり減ったので、随分と空気が綺麗になったようです。


 また自宅から仕事をすることが多くなったので、仕事のやり方も考え直してある部分では効率も上がりました。すごく単純に言ってしまえば通勤時間がなくなっただけでも時間とお金が節約できますよね。これを機に働き方や環境のことなど考え直すことも出来るかと思います。


 またF1界ではチームの枠を超えて人工呼吸器の製造や試験などを急ピッチで進めています。普段はエンターテインメントであるF1がこの様な非常時に少しでも医療現場に貢献出来るのであれば嬉しいことです。


 大変な時ではありますが、とにかく一日でも早く状況が改善しみなさんがまた通常の生活を送れるようになることを願っています。どうぞ安全にお過ごしください。



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(Ayao Komatsu)




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