F1速報

  • 会員登録
  • ログイン



【レースの焦点】若さが冴えた瞬間の判断、レッドブルの成功と“失敗”

2016年5月16日

 フェルスタッペンらしい瞬間の判断が冴えたのは、スタート直後のターン3。いったんは先行したセバスチャン・ベッテルがダニエル・リカルドの真後ろでダウンフォースを失っている様子を目にすると、迷わずアウト側のラインから前に出た。唯一の小さなミスは、24周目のターン3、リカルドの後ろでアウトにふくらんだこと──それ以外は、ライコネンに迫られても前輪をロックさせることすらなかった。

 トロロッソは、タイヤ管理の難しいマシンだった。それでも昨年レースデビュー前のフェルスタッペンが初めて2015年仕様のSTRで走ったレースシミュレーションを、テクニカルディレクターのジェームス・キーは鮮明に覚えている。

「タイヤのコントロールだとか、タイヤ温度がどれくらいか計るための“アイデアをキャッチする能力”だとか、本当に印象的だった。あれは、マックスが計り知れないポテンシャルを備えているという事実を示すテストだった」

 フェルスタッペン自身にとっても「信じられない」初勝利。レースを驚きの展開に導いた最大の要素はもちろん、メルセデス2台の接触によるリタイア。その後の流れを考えると、スタート直後いったんはベッテルに先行されながら、ターン3で取り戻してリカルドの後ろの2位を走行していたことも本当に大きい。

序盤にベッテルを抜き返したことが、初勝利への布石となった
LAT


 そして──ダニエル・リカルドに関するかぎり、レッドブルが完全に作戦に失敗したことが鍵になった。スタート直後も、全員が最初のピットストップを終えた時点でも、1位と2位のポジションを占めていたレッドブルが1位と4位に終わったのだから、チームの作戦として、本当は“失敗”なのだ。

 28周目、首位を走行していたリカルドをピットインさせたことについて、クリスチャン・ホーナーは「フェラーリの速さを相手に、2ストップか3ストップどちらが正解かわからない状態では、2台の作戦を分けるという難しい決断が必要だった」と説明している。しかし、フェラーリをカバーするために1台を先にピットに入れるなら、首位リカルドではなく2位フェルスタッペンを呼ぶのが基本。それではベッテル/フェラーリが反応しなかったかもしれないが、その場合にはリカルドは安全に2ストップ作戦を遂行することができた。なぜトップを走っていた自分がリスキーな3ストップ作戦に導かれたのか、リカルドが納得できないのも当然だ。レッドブルの不鮮明さは、その点を説明していないことにある。

 リカルドが2回目のタイヤ交換を行う少し前、23周目から25周目までにフェルスタッペンとの間隔は1.2秒から0.8秒まで、4番手ライコネンまでの間隔も6.3秒から5.2秒まで縮まった。しかし、これはリカルドのタイヤ性能が落ちていたからではなく、トップグループの目の前にピットアウトしてきたリオ・ハリアントが行く手を阻んだため──ダウンフォースが効かないぶん、マノーのストレート速度は驚異的に速いのだ。

 65周目のパンクチャ―がなければ「ダニエルは表彰台に上がれたはず」とホーナーは“不運”を理由にするが、それよりずっと前、チームの作戦ミスによって「自分たちで勝利を放棄してしまった」リカルドの気持ちを尊重しなければならないはず──2台のうち1台の作戦に失敗した場合、メルセデスなら“ビター・スイート”と表現しただろう。





レース

5/17(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
5/18(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
5/19(日) 決勝 22:00〜


ドライバーズランキング

※マイアミGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン136
2位セルジオ・ペレス103
3位シャルル・ルクレール98
4位ランド・ノリス83
5位カルロス・サインツ83
6位オスカー・ピアストリ41
7位ジョージ・ラッセル37
8位フェルナンド・アロンソ33
9位ルイス・ハミルトン27
10位角田裕毅14

チームランキング

※マイアミGP終了時点
1位オラクル・レッドブル・レーシング239
2位スクーデリア・フェラーリ187
3位マクラーレン・フォーミュラ1チーム124
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム64
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム42
6位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム19
7位マネーグラム・ハースF1チーム7
8位BWTアルピーヌF1チーム1
9位ウイリアムズ・レーシング0
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー0

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第7戦エミリア・ロマーニャGP 5/19
第8戦モナコGP 5/26
第9戦カナダGP 6/9
第10戦スペインGP 6/23
第11戦オーストリアGP 6/30
  • 最新刊
  • F1速報

    Vol.5 第5戦中国GP & 第6戦マイアミGP