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【F1バーレーンGPの焦点】初表彰台は悔しさとほろ苦い微かな安堵の味──。驚くほど成熟した感覚と思考を備えたルクレール

2019年4月3日

「セーフティカーのおかげで、僕らは不運な状況のなかで幸運を得ることができた。レースがあのまま進んでいたらもっとポジションを落としただろうし、燃料的にも大丈夫だったとは思えない。ストレート速度が遅いぶん、ストレートを走る時間が長くなり、普通よりずっと多くの燃料を消費していたから」

 それに、バーレーンの週末にはポジティブな要素がたくさんあった。メルボルンで思いのほか苦労したマシンは、チームの努力によって冬のテストのパフォーマンスを取り戻した。強風と砂塵に襲われたレースは誰にとっても難しいコンディションだったが、マシンは終始、快適だった。

 トラブルをいっさい責めることなく、ルクレールはチームに対する心からの感謝を表すのに言葉を尽くした。

「こんなに素晴らしいマシンを用意してくれて、本当にありがとう。チームがどんなに素晴らしい仕事を行ったか、僕らはコース上で披露することができた」

 金曜日の走行が始まってすぐ、太陽の下でも夜の照明のなかでも、フェラーリは一貫して速さを発揮した。そのマシンを手にして、ルクレールは常にセバスチャン・ベッテルを上回る力を証明した──。

 砂に覆われた路面、タイヤに厳しい舗装、セッションごとに異なる路面温度と、マシンバランスの変化。難しい“試験”を次々にクリアするように、彼は一度もミスすることなく、自らの道を開いていった。そして予選では、Q1、Q2、Q3すべてのセグメントでチームメイトを0.2〜0.3秒も引き離し、ポールポジションを獲得した。おそらく、タイヤをきちんと作動させ、コーナーごとにその状態を感じ取っていく能力がとてつもなく高いのだ。

 昨年、何度も接近戦を繰り広げたフェルナンド・アロンソは、ルクレールを「素晴らしい才能」と賞賛していた。バーレーンでは、フランスのテレビに応えて「本命はルクレール。このレースでも、今年の選手権でも」と、マクラーレンの立場を離れて21歳の後輩への期待を口にした。全身がセンサーのような才能に恵まれたドライバーは、既存のやり方やチームの指示に頼ることなく、自ら進んで独自のメソッドを見出していく──。そんなルクレールに、共感したに違いない。

 ルクレールにとって初めての経験だったのは、ポールポジションからのスタート──。グリッドに着いた後、誰よりも長く静止している間にタイヤの温度が低下し、最適なクラッチミートが難しくなる。フォーメーションラップの発進で少しホイールスピンした後、レーススタートでも後輪を完璧にコントロールすることができなかった。

 それでも冷静。ターン1ではイン側のベッテルにスペースを空けてポジションを落とし、ターン4でバルテリ・ボッタスに並ばれても無理に抵抗はせず、まず、自分のコンディションを整えることに専念した。2周目のターン1でボッタスが軽くタイヤをロックさせると、ルクレールはインに並んでターン2で難なくひとつポジションを取り戻した。

 この時点で、ベッテルは1.9秒前方。しかし2周目、3周目をベッテルより0.5秒速いラップタイムで走行したルクレールは、すぐにチームメイトのDRS圏内に入った。

XPB Images

「僕の方が速い」──無線でチームにこう伝えたのは、チームオーダーへの懸念だとかレースをさせてほしいと要求する意図があったためではなく、単純に、事実を伝えたかったからだと説明した。

「チームはたしか“OK、2周はこの状態で走って”と答えてくれたと思う。でも次のストレートで僕にはチャンスが訪れ、僕はためらうことなくそのチャンスをつかみにいった。スタートが悪かっただけに、1回のトライで成功したのはうれしかった」

 アウトからターン1で前に出たルクレールは巧みにブレーキングし、勢いを維持しながら姿勢を変え、ターン2のクリッピングポイントに向かって素早く真っ直ぐ加速した。クロスラインで抵抗することができなかったベッテルはターン4に向かってDRSを活かそうとしたが、届かなかった。





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