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ホンダ本橋CEインタビュー:微妙なニュアンスでフィードバックできる山本尚貴の能力。「日本人だと双方向で非常に伝わりやすい」

2019年10月16日

 日本GPのFP1で、山本尚貴選手がF1デビューを果たした。トロロッソ・ホンダでそのセッションに立ち会った本橋正充チーフエンジニアが、山本選手の走りと技術フィードバックについて語った。


──山本尚貴選手が、F1デビューを果たしました。本橋さんは、どんなふうにご覧になりました?
本橋正充チーフエンジニア(以下、本橋CE):ひとことで言うと、一流ドライバーだなという感想ですね。まったく初めての実車経験だったわけですが、僕も今までF1でいろんなドライバーの初走行に立ち会ってきたんですね。その中にはガレージから出ていくことすら、ギクシャクするケースもありました。


 それに対して山本選手はそんなことはまったくなく、走り始めから非常にスムーズ、かつ終始丁寧にクルマを扱ってくれました。あと周回を重ねるごとにどんどんペースを上げて行って、最終的にはクビアトとほぼ同じタイムで走った。それは驚くとともに、すごいなと思いました。


──本人にしてみれば、クルマを壊しちゃいけないという思いが一番にあったと思います。それであのペースは、大したものでした。
本橋CE:それはその通りで、本人も走行前は壊さないようにということを気にしてて、なので走行ラインもできるだけ縁石を使わないようにしてましたね。と同時に、データのフィードバックも行うよう非常に心がけていた。


──パワーユニット(PU/エンジン)側のフィードバックも、しっかりしてくれましたか?
本橋CE:そうですね。走行中はどちらかというと車体側の挙動を言及することが多かったですが、降りたあと、あるいはガレージで止まってる時は、けっこういろいろフィードバックをくれました。


 やっぱり僕らにしてみると、日本人ドライバーが日本語で話してくれるのは非常に助かるんですよ。今まで英語でやり取りしていて、もちろん問題はないんですが、フィーリングというか細かいニュアンスですか。そういう言葉だけではなかなか伝わりにくい部分を、同じ感覚を持った日本人が伝えてくれると、ああ、そうだったのかと気づいたことがいくつかありましたね。似たような感覚で、データを見直すことができたというか。


──それはすごく面白いですね。何か具体的なやり取りの中で、われわれ部外者にも理解できそうなものってありますか。
本橋CE:そうですねえ。主にドライバビリティですかね。踏み初めの感覚がどうなのかが、FP1の初めてから気になってた部分でしたから。英語でもそれについて、generalとか返して来て、それなりに理解はできるんですが、それが山本選手だと、「こう来た時に、きゅっと付いてくれる」とか、言うんですね。


 その「きゅっ」に含まれた細かい意味が、すごくよくわかるわけです。第3期の時の佐藤琢磨さんもそうでしたけど、開発に必要な微妙なフィードバックというのは、日本人ドライバーだと双方向で非常に伝わりやすいし、本当に助かりますね。

2019日本GP鈴鹿F1山本尚貴初ドライブ
F1日本GP鈴鹿のFP1でF1初ドライブを果たした山本尚貴。チームメイトのクビアトの差はわずかコンマ1秒だった



(Kunio Shibata)




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