マクラーレンのルイス・ハミルトンが、タイトル獲得に向けてのペースを維持するのであれば、来週末にニュルブルクリンクで『コースにおける彼のプログラムを元に戻すことが必要』と、マーティン・ブランドルは語っている。
ハミルトンは現在、ドライバーズランキングにおいて、12ポイントの差をつけてトップに立っているが、最近の2レースにおいては3位となっている。かつて1984年から86年にかけてマクラーレン、ベネトン、ティレル、そしてジョーダンなどでF1を戦っていたブランドルは、2007年F1世界選手権第10戦、ヨーロッパGPにおいてハミルトンが再び勝利を飾ることが必要と語っている。
「もちろんハミルトンは、その安定性やプレッシャーがある中での勝利など、ルーキーがどれだけのパフォーマンスができるかというこれまでの固定概念を完全に書き換えている。これまでどんなルーキーでも選手権をリードしたことはないし、連続して9レースも表彰台に上ったこともないし、世界チャンピオンをチームメイトに迎えるというタフな時間を過ごしたこともない。しかし、本当に大変なのはこれからだ。(フェルナンド)アロンソが指摘しているように、これからは、期待が大きくない中でいい結果を得る、という状況とはまったく異なるからだ」ブランドルは、イギリスのサン紙に『前半戦の総括』という記事の中でそう語っている。
「前の2レースは、ハミルトンがこれまででもっともコンペティティブさに欠け、目立っていなかったレースだった。彼のベンチマークが低かったのは明らかだ。フランスとイギリスでは、勝てないことがはっきりすると、あからさまにペースを落としていた」
「フランスでは、もしアロンソがポジションを落としていなかったら、彼は間違いなくハミルトンに勝っていただろう。実際シルバーストンでは30秒近くも離されてしまった。ハミルトンの何かがおかしくなっている。その理由が何なのか、気持ちの問題なのか、プレッシャーのせいなのか、あるいは、たまたまなのか、それはわからないが。いずれにせよハミルトンは、来週末のニュルブルクリンクで、コース上での彼のプログラムを元に戻すことが必要なのは間違いない」
BRDC会長であり、1996年F1世界チャンピオンであるデイモン・ヒルもまた、シーズンの残りはハミルトンにとってますます厳しくなっていくだろうと考えている。ヒルは、フェラーリが最大の脅威となるだろうと語る。
「今の時点では、今年ルイスは(タイトルを)獲れるだろうと思っている。シルバーストンの時点でトップに立っていたドライバーの多くは、統計的には最終的に世界選手権のタイトルを獲得している。だが、ここから先はまだ長い。今が苦しい時だよ」デイモンはサン紙にそう語っている。
「シーズン最初からいいスタートを切れたのは良かったと思う。だがレースが行われるごとに、そのペースを維持していくのはどんどん難しくなっていくんだ。シーズン最後の3レースはすごく見ごたえがあるだろうと思う。単に彼がうまくやれるかどうかということだけではなく、(キミ・)ライコネンや(フェリペ・)マッサらの激しい追い上げも大きな見所となるだろう」