2003年シリーズ最後の4レースの予想について確かに言えるのは、コンストラクターズとドライバーズの両選手権は僅差で争われており、一戦一戦の結果が重要な意味を持つことになる、ということだけだ。
激しい闘いの渦中にあるBMWウイリアムズF1チームとそのドライバー、ファン−パブロ・モントーヤおよびラルフ・シューマッハーだが、ハンガロリンクと特性の似たサーキットにて今季は上々の成績をいくつも残している。
とはいえ酷暑の中、同サーキット特有の渋滞が事態を複雑にし、タイトルを我がものにしようというチームがいずれも通常以上に奮闘することで、来るハンガリーGPは否応なく最高の見ものとなる。
ファン−パブロ・モントーヤは2週間前のドイツGPで勝利を収め、ドライバーズ選手権では2位につけた。首位ミハエル・シューマッハーにわずか6ポイント差だ。最近の5レースで一層の健闘を見せる彼は、最大計50ポイントの枠の中で40ポイントを挙げており、今週末にさらなる期待をかける。
「ブタペストの街はいつ来ても楽しい。ハンガロリンクがお気に入りのサーキットとは言い難いんだけれどね。だがそれも最近では、トラックの改修のおかげで変わりつつある」とモントーヤ。「まあ行ってからだね。いつも通り、とても熱い週末になるだろう。それに、僕らにとって前向きなレースになることも間違いない。理由はまずミシュランのタイヤが暑さにとても強いこと、それから僕の体力にもまったく問題がなく要求に応えられると思うからだ。この2〜3カ月ずっと頑張ってきたし、先週はマイアミでも同じようにトレーニングしてきた。どんな暑さにも負けないと思うよ」
「ハンガリーではここ数年あまりよくないんだが」とモントーヤ。昨年は11位、一昨年は8位だった。「だが今年の車は改良が進んでいるから、きっとハンガロリンクにもっと合うようになっていると思うんだ。チームの士気も高まっているし、もちろん僕も、ミシュランを含むすべてのパートナー企業も頑張っていてヤル気十分だ。チャンピオンシップについて語る気はない。なぜならそれは一戦一戦に集中した結果に過ぎないからであり、正にそれがいま僕が専念しているところなんだ」
ラルフ・シューマッハーのドイツGPは一方、スタート時の多重クラッシュに‘絡んで’完走ならなかった。それどころか、キミ・ライコネン、ルーベンス・バリチェロらを巻き添えにしたこの事故の原因を作ったとして罰則を課された。今週火曜にこの件につき聴聞会が開かれ、ここでの裁定によっては、今週末のラルフのグリッドは10位も下げられることになるかもしれない。
「ハンガリーのレースの予想は、ホッケンハイムのスタート時の事故に対するペナルティへの抗議の裁定がまだ下りていないため、何とも言えない」と説明するラルフ。「もしペナルティが決まって10位もグリッドが下げられれば、レースがすごく大変になることは明らかだ。ハンガリーはそう簡単にオーバーテイクができないことでよく知られているからね。だが、何事も不可能とは言い切れないが」
「今年もハンガロリンクには2〜3変更点があるが、僕らはホッケンハイムにいる間に、新しいサーキットに合わせた戦略をいくつか立てることができた。ホームストレートは例えば250m延長され、オーバーテイクが少しは楽になった可能性がある。去年のレースがあまりにもいい思い出になったから、基本的にはハンガリーの週末を楽しみにしているよ。去年は車のセットアップがうまくいって、レースは3位で、おそらく僕のシーズンベストレースだった。今年の僕らの車はホイールベースを短くしてあるので、このトラックにはきっと合うはずだ。それにこの時期のハンガリーでは例年通りの高気温もミシュランタイヤには合うから、僕らのアドバンテージになってほしいね」