3週間の夏休みを終えて、ラッキーストライクBARホンダチームが来週末、ブダペストで開かれる2003年F1世界選手権第13戦、ハンガリーGPに挑む。
ハンガロリンクは1年を通してほとんど使用されないため、イベント初日は路面が埃にまみれ、グリップ力が極めて弱い。週末を通して徐々に改善されるものの、ライン以外の路面はかなり埃で汚れているため、オーバーテイクがとても難しい。
おまけに、タイトな低速サーキットであるハンガロリンクは、これまでオーバーテイクのチャンス自体がほとんどなかった。しかし、今年は改修工事が行われてレイアウトが変わり、オーバーテイクのチャンスが増えそうだ。
ハンガリーで2度の優勝を飾っているジャック・ビルヌーブは、今年もポイントを目指して意気込んでいる。
「ハンガリーのレースは楽しいね。全体の雰囲気がいい。観客の盛り上がり方もすごい。とてもイカした街だ」とビルヌーブ。「ここでのレースはいつも楽しい。ハンガロリンクは不思議なトラックだ。ストレートと呼べるようなものがなく、いつもターンばかりしているんだからね。ふつうならゴメンといったところだけれど、このレイアウトは僕にとって楽しいし、リズムもいい」
「今年はレイアウトが少し変わった。従って、今年はどんなことになるのか、正確に予想ができない。しかし、どうやら、1コーナーにシケインが置かれることになるようだ。トラックの他の部分はまったく素晴らしいと思う。レイアウト変更によって、どれぐらいオーバーテイクが可能になるのか、予想はつかない」
「今年のマシンは去年に比べてかなり安定感があるので、バランスが出難いハンガロリンクでは力を発揮してくれると思う。暑さはタイヤに影響を及ぼす。暑ければ暑いほど、タイヤのみならずドライバーにもエンジンにも負担がかかる。でも、僕はいつもハードなトレーニングを行っている。暑くなればなるほど、幸せを感じるよ」
一方、今年のモナコで予選3番手だったジェンソン・バトンは、モナコと同じような特徴をもつハンガロリンクで再び好パフォーマンスを期待している。
「僕はハンガリーであまり楽しめない。とてもタイトでツイスティなサーキットだからね。そういうタイプのコースはあまり好きじゃないんだ」とジェンソン。「僕は、オーバーテイクができる高速サーキットの方が好きだ。しかし、ハンガロリンクは今年、改修工事を行ったので、以前よりオーバーテイクのチャンスが増えたかもしれないね。それはともかく、ハンガリーのレースが素晴らしいことは確かだ。ファンはとても盛り上がってくれ、マナーもいい。雰囲気は素晴らしいよ」
「ハンガリーも暑くなりそうだ。でも、僕は日々トレーニングを積んでいるので、暑くてもそう堪えない。僕たちのマシンは、シルバーストンやバルセロナのような、高速コーナーのあるサーキットの方が調子がいいと思う。低速サーキットでは、あまり力を発揮しないようだ。しかし、マシンにいくつか改良を加えたので、これまで以上のパフォーマンスが期待できる。シルバーストンとホッケンハイムでポイントを獲得したので、とてもポジティブな気持ちでハンガリー戦に臨める。ハンガロリンクはタイヤにとって、とてもタフなサーキットだ。ブリスターがかなりできる。コンディションを最大限生かすためには、タイヤの選択をかなり慎重に行うことだ」