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【F1オーストラリアGPの焦点】勇気と闘争心を倍増させた“戦うホンダ”の姿。“自らの道”を通す戦いぶりが清々しかったルクレール

2019年3月20日

 最終的に、スクーデリアはチームオーダーを発令し、ルクレールにポジション維持を指示した。ベッテルのステイタスを考えると、それは理解の範囲内。ただし、それならそれで、6位のケビン・マグヌッセンとの間には十分すぎる間隔があったのだから、ルクレールのタイヤを交換し、フレッシュタイヤでファステストラップの1ポイントをメルセデスから“奪う”ことはシーズンを通してタイトルを争ううえで必要な、むしろコンサバティブな判断だったと思う。

 フェラーリのストラテジーは、今年も“自分たちのなか”にある感情と、周りを見渡す視界のバランスが取れていない。メルセデスとは対照的に──。

 レギュレーション変更の是非を判断するうえで、アルバートパークのレースはバーレーンや上海、ましてアゼルバイジャンへの指標とはならないけれど、ひとつ言えるのは、レギュレーション変更以上にピレリタイヤのスペックやタイヤウォーマーの指示温度の変更が作戦に影響しているということ──。フロント100℃、リヤは80℃(!)という指定では、スタート前にグリッドで長く待たされる上位ドライバーほど、リヤタイヤのホイールスピン抑えるのに苦労する。そして、タイヤ交換直後には十分に加速できないため、アンダーカットよりもオーバーカットの作戦にチャンスが大きくなる。

XPB Images

 37周目のターン3で、ランス・ストロール(レーシングポイント)を抜こうとブレーキを遅らせたダニール・クビアト(トロロッソ・ホンダ)はコースオフ。そこをチャンスと捉えたレッドブルはガスリーをピットに呼び、僅差でトロロッソの前に送り出したが、ターン2から3に向かう加速でハードを履いたクビアトがフレッシュソフトのガスリーからポジションを取り戻した。抜けないサーキットでは、こんなところに最後の1ポイントの分かれ目があったのだ。

 本当のことを言うと、誰もが安定したマシンバランスを見出すのに苦労したメルボルンだった。オーバーテイクは相変わらず難しく、DRSトレインばかりが生まれた。それでも、一度もセーフティカーが入らないクリーンなレースが、19年シーズンに散りばめられたそれぞれのチャンスを明るく照らした。“生涯最高のレース”で勝利を飾ったバルテリ・ボッタス(メルセデス)がナンバー2体質から完全に脱出するのもこれから──。

 温かい日差しに包まれたメルボルンは、日没とともに南極からの冷たい風で夏から一気に晩秋へと近づき、F1は今年も“アルバートパークじゃ全部は分からないよね”と渡り鳥のような旅を始める。ここで期待が潰えてしまうことはなく、落胆も癒される。ヨーロッパから一番遠いグランプリは、開幕戦には最高の場所なのかもしれない。

(Masako Imamiya)





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