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レッドブル・ホンダF1密着:フェルスタッペンが紳士協定を破られ予選アタックできずに終わった遠因

2019年4月14日

「ピーー、ピーー、ピーーっだね」


 F1第3戦中国GPの予選終了から1時間が過ぎて、レッドブルのホスピタリティハウスで行われた囲み会見にやってきたマックス・フェルスタッペンは、予選についての心境を尋ねられると、少し呆れた表情でそう答えた。「ピーー」というのは、テレビで放送禁止用語が流れるときに聞こえてくる、あの音のことだ。つまり、それくらいフェルスタッペンは怒りに満ちていた。


 フェルスタッペンが怒っていた理由は、Q3の最後のアタックを行うことができなかったからだ。なぜか? それは最後のアタックに入るときのアウトラップのペースが全体に遅く、最後の数人がアタックラップに入る前に、チェッカーフラッグが振られてしまい、そのうちのひとりがフェルスタッペンだったからだ。


 状況を説明しよう。Q3の最後のアタックはルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスのメルセデス勢2人が最初にコースインし、それにシャルル・ルクレール(フェラーリ)、フェルスタッペン、ルノー勢2台、そしてセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が続いた。ところが、ハミルトンのアウトラップのペースが通常よりも遅く、後続のマシンが渋滞となる原因を作ってしまった。


 なぜ、アウトラップで前に遅いマシンがいるのに、だれも抜かなかったのか? それはアウトラップでは他車を抜かないことが、チームとドライバー間の紳士協定になっていたからだ。


「Q3の最後のアタックのアウトラップの際、かなりスローな状況になったけど、僕は前方にいたフェラーリのマシン(ルクレール)の後ろにとどまっていた。なぜなら、予選の最後のアタックへ向けて準備を整えているときには、他のマシンのためを思うと、コース上で追い抜くよう な真似はすべきでないと紳士協定で決められているからだよ」


 ところがこの状況で、数台のマシンが紳士協定を破って、前のクルマを抜いていったのだ。それがベッテルとルノー勢2台だった。まず最初に紳士協定を破ったのがベッテルで、バックストレートでルノー勢2台を立て続けにオーバーテイクしていった。


 さらにベッテルはバックストレートエンドの14コーナーで、アタックに入ろうとルクレールとの間隔を開けて、スロー走行していたフェルスタッペンをアウトから抜いていった。ベッテルに抜かれたフェルスタッペンはベッテルとの間隔も開けなければならないために引き続き、スロー走行するしかなかったが、その矢先、今度はルノー勢2台にもパスされた。


 なぜ、ベッテルとルノー勢2台は紳士協定を破ったのか。それはフェルスタッペンの後ろにとどまっていたら、チェッカーフラッグに間に合わない可能性があったからだ。実際、チェッカーフラッグを受けてアタックを断念したフェルスタッペンは、コントロールラインを通過する直前にチェッカーフラッグを受けたという。したがって、紳士協定を破ったベッテルとルノー勢2台を一方的に責めることはできない。


 ただし、最後のアタックができなかったフェルスタッペンの怒りは収まらない。


「予選3番手をかけて戦っている最中にこういうことが起きて、腹立たしい。もう起こってしまったことだしどうしようもない。僕らのレースペースはいいから、日曜日に表彰台を目指して戦うよ」


 ハミルトンによる超スロー走行のアウトラップの被害を受けたのはフェルスタッペンだけではない。チームメイトのピエール・ガスリーもアタックラップに入ることができなかった。それでも、レッドブル移籍後、初めてQ3に進出し、調子は上向きだ。


「まだマシンに苦しんでいて、自分のドライビングに100%満足はできていないけど、6番手は今日望み得る中で最高の結果だと思う。まだ改善すべき部分はあるけど、バーレーンGPよりも確実にマシンの感触は良くなっているから、レースが楽しみだ」


 ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターは、「アタックができていれば、(フェラーリと)もっといい勝負ができていたはずだと、チーム全員が思っていたと思います」と語った。予選の借りはレースで返してもらいたい。

2019年F1第3戦中国GP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2019年F1第3戦中国GP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)




(Masahiro Owari)


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