22日、富士スピードウェイで行われたトヨタ・モータースポーツフェスティバルでトヨタF1のラストランを担った小林可夢偉、そして最初で最後のトヨタF1ドライブを行った中嶋一貴のふたりがイベント後、記者からの質問に答え、来季のF1継続参戦の可能性について語った。
この日、トヨタF1のフィナーレとなるラストランを担った可夢偉は、ケルンのファクトリーでミーティングに参加したときに「撤退が決まるかもしれない」と聞かされたという。
「レースドライバーのつもりでミーティングに参加していたんですが、あまりにもショックでよく分からない状態でした」と可夢偉。
一方の一貴は、「トヨタF1のドライバーでは無かったけれど、TDPドライバーとして支援していただいていたので、この先どうなるか不安になりました。残念です。でも僕自身はF1ドライバーとして自信はついてきている。ウイリアムズから他のチームを探さなければいけませんが、チーム数も増えているし確定していない状況も多い。どういう形であれ2年間経験を積んだし、今年は結果がついてきませんでしたが自信を深めたので、シートを探したいと思います」」とトヨタF1の撤退について語る。
来季に向けては、数チームと交渉を持っているというが、現段階で可夢偉、一貴が直接交渉に当たることはなく、マネージャーに任せている状況とのこと。
「チームが決まらないと僕も動くのが難しいので、僕自身はしばらく“休憩”を取りたいと思います。12月になったらまた向こうに行って交渉すると思いますが、僕自身が動くことはあまりありません」と可夢偉。
また、可夢偉は記者から「F1に残れる可能性はどれくらいあると考えているか」という質問を受けたが、「僕自身は100%可能性があると思っている。でも、そう思っていても乗ることができるかというとまったく別問題。僕自身は乗れると思って準備するし、TDPがどうサポートできるかに任せて信用するしかない。お金以外は確実です(笑)」とF1ドライバーとしての自信を見せた。
もしF1で移籍先が見つからなかった場合について、可夢偉も一貴も「今はF1に乗ることしか考えていない(可夢偉)」
「僕も残ることだけを考えている。後のことは、乗れなくなった時に考えるし、今はF1でやり残したことがたくさんあるし、やれる自信がある(一貴)」と当面はF1残留だけを目指して活動していくと語っている。
トヨタの高橋敬三モータースポーツ部部長は、ふたりの今後について「我々が何かをしたという訳ではなく、彼らは実力でF1ドライバーになった。そしてこれからもF1でやっていく実力を持っていると思う。別の形でもなんとか応援できたらな、と思って、我々が間に立っていくつかのチームと交渉している」と現在の状況について語っている。