チーム・マクラーレン・メルセデスが明らかにしたところによれば、1月に行われるMP4−20のテストで、アレクサンダー・ブルツはその新車のドライブを行わない。というのも、ブルツの高すぎる身長ではシートにフィットしないためだ。
また、チームはブルツ用に改造を施す用意はあると語っているが、それにはある程度の時間を必要とする。一方、改造が不要なペドロ・デ・ラ・ロサら身長のさほど高くないドライバーがサードドライバーの有力候補となっている。
マクラーレン広報担当は英クラッシュ・ネットにこう語っている。
「来年のマシン、MP4−20のシャシーについて、レースドライバーに合わせてサイズの決定をした。キミ・ライコネンの身長は1.75m、ファン・パブロ・モントーヤは1.68m。2人とも、1.82mのアレックス・ブルツに比べるとだいぶ小さい」
「その結果、MP4−20は今のところアレックスの体にはフィットしていない」「チームは2005年用シャシーをアレックス用に調整するために必要な改造を行うべきかどうか検討中だ」
2000年からマクラーレンで作業しているブルツは、ITV−F1.comに対して旧車MP4−19Bを使用してテストでチームに貢献すると語っている。今回のような問題はこれまで生じなかった。なぜならライコネンより身長の高かったデイビッド・クルサードがレーシングドライバーであったため、これまでのシャシーは新車MP4−20ほど小さくなかったためだ。
「最初の頃に作られる新車は僕にはフィットしないということは聞いている。でもMP4−19を使ってテストは続けられるよ」とブルツ。
「チームが僕らテスト部隊のためにシャシーを作る事を考えてくれれば、そのコクピットは今より大きくなると思うよ。そうすれば僕もMP4−20の開発作業に加われるんだけどね」「でも今の時点ではそうなるかどうかはまだわからないんだ」
マクラーレンが各グランプリ金曜日のフリー走行でサードドライバーを走らせるとすれば、現時点ではデ・ラ・ロサが最有力候補となる。3台目のマシンを走らせることは、“チームの利益”になるとすでにマクラーレンも公言している。
また、最近シルバーストンでMP4−19でのテストを行ったジェイミー・グリーン、ルイス・ハミルトンとアレックス・ロイドもサードドライバーの候補とウワサされている。さらに、2005年はDTMに専念すると月曜日のマクラーレンからの声明があったミカ・ハッキネンにもその機会が与えられる可能性もある。
マクラーレンは2005年、金曜日のプラクティスでサードカーを走らせることが許される。コンストラクターズで4位までに入ったチームにはこの権利が与えられないがマクラーレンは5位に終わっているためこれが可能となっている。
また、サードドライバーの条件は、過去2年間で出走経験が6レース以下であると定義されている。