ミナルディが、アウトドローモ・サンタモニカにおいて1週間におよぶテストをスタートした。テスト2日目の23日、イタリアの同サーキットに若手オーストラリアンドライバーの二人、いずれも初のF1走行となるウィル・デイビソンとウィル・パワーが訪れ、初日から参加のイスラエル人ドライバー、シャノック・ニッサニーと合流した。
この日の第一の目的はドライバーたちにF1に慣れさせることだったが、チームのエンジニアたちは併せて、2005年に使用するとみられる新しい空力パーツのテストも行った。
パワーは22ラップを走り初体験を楽しんだ。ベストラップは1分11秒790だった。
「とてもとても強烈だった。こんなドライブはしたことがない」と振り返る彼。「あのブレーキとあのパワーは言葉では説明できないが、要は、まったく違う車で、慣れるしかなく、F1でやっていこうと思うのなら、レース距離を走り切れるだけの十分な身体的な準備もしなければならない」
「トラックはとても覚えやすく、ほとんどが低速か中速コーナーだ。バックストレートに入る左コーナーは全開となるが、それ以外は、すごい高速コーナーというのはない。このレイアウトは一度慣れてしまったら速く走れるようになって、より好きになった。すごく楽しかったよ!」
デイビソンは22ラップを走り、パワーより約コンマ1秒遅い1分11秒900のベストタイムをマークした。
「ただただ驚きの体験だった、信じられないくらいにね! 体力的な準備はやりたいだけできるが、初めてのF1ドライブには実際、どんな準備も大した役には立たない」とデイビソン。「驚くほどのパワーで、それに合わせながら素早くスタートするのだが、エンジン、ギヤ、ブレーキのパッケージ全部がまさにパーフェクトだ。実際、グリップがすごく良くて、ブレーキの効きも十分だし、この短時間では車の限界を見つけるのは難しいが、こういうテストではそれをやってみせる必要がある」「個人的には今日はいい仕事ができたととても満足している。特にミスもなかったし、コースに出るたびに新しく学ぶ発見があった。ポール・ストッダートとエンジニアたち、それにミナルディ・チームのみんなには、とても快く迎え入れてくれたことに感謝したい。おかげで気持ちよく仕事ができた。問題は、こうして少しF1というものを味わうと、もっと乗りたくなることだ。今日の経験から判断すると、自分はいい仕事ができる能力があると思うからね」
一方、月曜も走行したニッサニーはこの日の最速タイム、1分14秒000を出した。50ラップを走り切り、午後には2005年の空力パッケージまで試した。
「今日は午前と午後でまったく違う経験になった」と明かすニッサニー。「午前中は2004年型車だったが、午後には2005年の空力パッケージを載せたミナルディを初めてドライブする栄誉を頂いた」
「ダウンフォースがかなり少なくなっていることがすぐに分かった。僕が思うにこの車はドライブが相当難しくなり、ドライバーにはそれなりの技量が求められることになる。全体に今日はいろいろうまくいったし、このチームでの僕のF1‘学習曲線’を伸ばせる機会をもらえたらと思う」